米大統領選「ポストトランプ」最有力者が「ディズニーと大モメ」している理由とは

 アメリカではジョー・バイデン大統領が、「いつか、いつか」と言われた来年秋に行われる大統領選挙への立候補をついに表明した。

「バイデン大統領は言うまでもなく高齢が最大のネックで、彼の再選が好ましいと思っている支持者は多くありません。しかし、民主党内で他の主だった候補といえば、4月5日に立候補した、あのケネディ元大統領の甥のロバート・F・ケネディ・ジュニア氏くらいでしょう。とはいえ、彼は党内での支持はイマイチなようで、やはりバイデン氏を中心に民主党の指名争いは推移しそうです」(外信部記者)

 一方の共和党では、すでに立候補を表明しているドナルド・トランプ元大統領が数々のスキャンダルに見舞われているのは周知の通り。ピンク女優への口止め料の問題に連邦議会襲撃教唆、機密文書の持ち出し、ジョージア州での選挙介入の「問題4点セット」に加えて、最近では元コラムニストの女性による、暴行と名誉棄損の裁判にも忙殺されている。

 こんな醜聞まみれのトランプ氏以外に候補者はいないのかと言えば、実はいないわけではない。それが「ポスト・トランプの最右翼」と目される、フロリダ州知事のロン・デサンティス氏だ。だが、同氏も目下、訴訟の真っ最中なのである。しかも裁判の相手は世界的企業である「ウォルト・ディズニー・カンパニー」だ。

「デサンティス氏はハーバード大学のロースクールを出たエリートで、トランプ氏と同じ『MAGA』(メイク・アメリカ・グレート・アゲイン=偉大なアメリカの復活)を掲げていることもあり、『賢いトランプ』と呼ばれる人物。また一方では『最も人種差別的な知事』とも言われています。そしてそのデサンティス氏が目の敵にしているのが、地元の企業であるディズニー社なのです。同社はLGBTQに関する教育を制限した州法に反対した経緯があり、その報復としてデサンティス氏は、1967年から55年間『ディズニー・ワールド』に認めてきた税制優遇と特別自治権をはく奪する州法に署名したと言われています。これに対しディズニー社は、ディズニー・ワールドへの知事の監督権行使の差し止めを求めて提訴しました。デサンティス氏は『政治的な動機の提訴』だとして、両者は一歩も譲らず争っているのです」(前出・記者)

 果たして2025年1月に新大統領に就任するのは、御年82歳のバイデン氏か、まだ「被告」の身かもしれないトランプ氏か、あるいは「ミッキーの敵」デサンティス氏か…。

(猫間滋)

ライフ