名作児童小説「アルプスの少女ハイジ」をモチーフとした、R18のかなり過激なグロいバイオレンス…。そんな内容でリメイクされたスイス映画「Mad Heidi」が、「マッド・ハイジ」の邦題で7月に日本で公開されることになった。
その強烈なタイトルだけですでに話題をさらっているのだが、ストーリーも「マッド」そのもの。なんと、アルプスに暮らすハイジが、「闇チーズ」のディーラーである恋人のペーターを目の前で処刑されたことで復讐劇を繰り広げていく、というストーリーなのである。
映画のポスターにいたっては「教えておじいさん、復讐の仕方を!」というキャッチフレーズが躍る。「これでいいのか、ハイジ」と驚き、嘆く人が続出する中、映画ライターはこう語る。
「何に注目すべきかといえば、スイス映画だということです。スイスでもこういったハリウッド的な作り方をするようになったことで、今後の映画界が面白くなっていく予感がしますね。今年は『プー あくまのくまさん』も公開されます。これも2023年制作のイギリスのホラー映画です。児童小説『クマのプーさん』をホラー化したものですが、2010年代後半から2020年代前半にかけて、原作の著作権の保護期間が相次いで終了し、パブリックドメイン化(知的財産権が発生せず、誰でも利用できる状態)されたことから実現したと聞きます。ハイジも原作がパブリックドメイン化されているようです」
今後はますます、かつての名作がパブリックドメイン化していくだろう。世界的に知名度が高く、多くの人に親しまれている児童文学をモチーフに、ホラー化、パロディ化する時代がやってくるのかもしれない。
泉下の原作者に映画の感想を聞いてみたい気もするが…。