2億円で販売開始したけど…未来の乗り物「空飛ぶクルマ」は10キロしか飛ばない

「空飛ぶクルマ」や物流ドローンを開発する日本の企業「スカイドライブ」が4月13日、2人乗りの商用機「SD-05」の一般向け予約販売をスタートさせた。

 垂直離陸が可能で移動の自由度が非常に高いという、まさに未来の乗り物だ。

「SD-05は2025年の大阪・関西万博での実用化を目指し、日本製の空飛ぶクルマとして注目を集めています。パイロットと乗客の2人乗りで、コンピュータ制御のアシストによって安全な飛行が可能だといいます。最高巡航速度は100キロで、納期は25年以降を予定しているとのことです」(フリーライター)

 同機はもともと企業向けとして予約販売が始まっており、ベトナムの企業から100機のプレオーダーも受け付けていたが、個人からの問い合わせが多かったことから今回の一般向けの予約販売を決めたという。SD-05は空飛ぶクルマとしては日本初となる航空機の型式証明取得を目指していて、実現すれば離島や山間部での移動や災害時の活躍も期待されている。

 ところが、ネット上では同機に対して否定的な意見も少なくないようだ。

「同機は、最大航続距離が約10キロなんです。この点に注目した人が多いようで《実用的でないのでは》という意見も見られました。最大で10キロということは、往復を考えた場合は片道5キロ程度ですから、優雅な空の旅とはいかないかもしれません。さらに同機の価格は1台150万ドル(約2億円)。とても一般の人には手が出ないでしょう。しかも、『空飛ぶクルマ』については法整備がまだ何も進んでいないのです。安全性の確保や車体の整備について、さらには免許をどうするかについても検討中という状況です。そのため、たとえ機体を購入しても、購入者が運転するというよりは専門のパイロットが操縦するという形になるとみられています」(前出・フリーライター)

 ちなみに、一般予約の1号機の購入者は、投資家でホンダジェットの国内顧客第1号としても知られる千葉功太郎氏だ。同氏はこのために航空パイロットライセンスを取得したといい、「空の冒険が待ち受ける未来を心待ちにしています」と語っている。

 千葉氏のように夢と情熱を持ち、そして2億円を出せる方は、ぜひ購入を検討してみたらいかがか。

(小林洋三)

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