一気に6000人増!「中央大茗荷谷キャンパス」開校で“受験の聖地”はこう変わる

 東京の文京区と言えば教育ママたちの憧れの地である。

「文京区は国立の筑波大付属やお茶の水大付属そして学芸大学附属竹早小学校など、小学受験の聖地とも呼ばれています。応募要項には自宅から学校までの通学時間を記さなければならず、遠距離の場合には応募の資格すらないので、子供の受験のために文京区内のマンションに引っ越してくる家族も少なくありません」(進学塾講師)

 その聖地とも呼ばれているのが地下鉄丸の内線の茗荷谷駅周辺である。前記の国立の付属小学校などにも徒歩5分程度で全部行けるし、中、高も徒歩圏内という便利な場所だ。

 大学は拓殖大とお茶の水大があるが、この4月からは中央大学のキャンパスが開校し、大きな話題になっている。都バスの車庫だった跡地を中大が購入し、そこにキャンパスを建てたのだが、茗荷谷駅から1分という至便の立地である。そこに6000人もの法学部の学生が通うことになるというから、もともと学生の比率が高かった茗荷谷は都内で屈指の学生街となる。
 
「学生街は東京では中央線の御茶ノ水駅周辺が有名で、中大のほか明大や日大が狭いエリアにキャンパスを構えていました。しかし、40年ぐらい前から八王子などの郊外にキャンパスを移したので受験する学生数が減ってしまい、問題視されていたのです。その代表的存在だったのが中大でした。都心と異なり学生がアルバイトをするにも働き口が少なくて、その意味でも郊外の大学を希望しない風潮になってしまったのです。今回の中央大の茗荷谷進出は、都心回帰の流れを後押しするきっかけになると思います」(中大関係者)

 過去には司法試験合格者のナンバーワンを誇っていた中大だが、近年では看板の法学部もパッとしない焦りがOBたちにあったという。

 さて、学生街の茗荷谷はどうなっていくのだろうか。地元小石川で暮らす50代の男性は以下のように解説してくれた。

「住環境としては緑も多いし、公園も多いので何の問題もありません。教育機関も充実しているので子供を育てるのには最高の環境ではないですかね。しいて問題点をあげるとすれば外食が出来るお店が絶対的に少ないことです。2駅先が池袋ですからコンパをするなら池袋へという意識もあったので、外食店は育たなかったのかもしれません。全国チェーン展開をしているお店はありますけれど、そこがお茶の水や神田小川町の学生街とは大きな違いではないでしょうか。昔からある学生相手の外食のお店というのが茗荷谷だと駅前の春日通り沿いのバンビという洋食店ぐらいなものですから」

 6000人もの学生が増えるのだから街も活性化することだろう。果たしてどんな学生街となっていくのか楽しみである。

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