「ルパン三世VSキャッツ・アイ」だけじゃない!人気アニメ同士のコラボ作品

 アマゾンが運営する動画配信サービス「プライムビデオ」で公開が始まった「ルパン三世VSキャッツ・アイ」が好評だ。どちらも怪盗が主人公の人気アニメだが、「ルパン三世」がモンキー・パンチ氏、「キャッツ・アイ」は北条司氏と作者は異なる。
 
 違うアニメのキャラが共演する「クロスオーバー作品」は昔からあったが、その多くは同じ作者によるもの。ただし、そうしたケースがまったくなかったわけでもない。
 
 なかでも〝日本初のコラボアニメ〟と言われているのが、1969年に放送された「巨人の星対鉄腕アトム」。当時の人気バラエティ番組「前田武彦の天下のライバル」(日本テレビ系)での企画で、星飛雄馬とアトムが野球とマラソンの2種目で対決している。

 他には2000年代に入ってから「仮面ライダー電王+しん王(クレヨンしんちゃん)」(07年)、「クレヨンしんちゃん×あたしんち」(10年)、「トリコ×ONE PIECE×ドラゴンボールZ 超コラボスペシャル!!」(13年)がそれぞれ放送。さらに今回キャッツ・アイとコラボしたルパン三世は、「名探偵コナン」とのクロスオーバー作品「ルパン三世VS名探偵コナン」として09年にテレビ版、13年には劇場版と2度にわたって製作されている。

「これらの作品は基本的にテレビ局などの発案ですが、なかには原作者が拒否するケースもあります。それでも作品同士の世界観に親和性があったり、テレビ局やコミックの出版社が同じ場合は実現しやすいですね」(アニメ制作会社幹部)

 ちなみに「ルパン三世VSキャッツ・アイ」はルパンの原作者、モンキー・パンチ氏の「キャッツ・アイとルパンが対決したら、きっと面白い作品になるだろうね」という生前の一言が実現のきっかけだと言われている。

 これに対し、「巨人の星対鉄腕アトム」は放送局やコミックの出版社も違えば、作者の梶原一騎氏(原作者)と手塚治虫氏は作風もまるで異なる。かつて手塚氏が「巨人の星」について「これのどこが面白いのか、説明してください!」とアシスタントに尋ねたエピソードは有名だ。

「ゆえに業界では〝奇跡のコラボ〟とも称されています。テレビ局の力が強かった時代だから映像化されましたが、原作者の意向が尊重される今であれば企画段階で間違いなくボツになってますね(笑)」(前出・アニメ制作会社幹部)

 人気アニメキャラの共演はそれだけスゴいことなのだ。

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