まるでコミケ会場!初詣はコスチューム愛好家だらけのパワスポ神社とは?

 過去2年はコロナ禍で自粛していた人が多かった初詣。23年の正月は各地の寺社で久しぶりの賑わいとなりそうだが、なかでも埼玉県には〝ある趣味〟を持つ愛好家が訪れることで有名な神社があるのをご存じだろうか?

 埼玉県久喜市にある「鷲宮神社」は、関東最古の大社と伝えられる由緒正しい神社だが、毎年初詣の時期になると仮装した男女が数多く参拝。それを目当てに訪れる人も多く、境内の一角では彼らによる即席の撮影会が行われることも。まるで東京ビッグサイトで毎年夏と冬に行われる同人誌の祭典「コミックマーケット」の会場のような雰囲気だ。

 コスチューム・プレイ愛好家が集まるようになったのは10数年前からで、きっかけは地元を舞台にしたコミック「らき☆すた」。作品内では「鷹宮神社」という名前で出ており、07年に放映されたアニメ版ではオープニングでヒロインの1人がステップを踏みながら参道を歩く姿が話題に。すると、ファンたちがここを訪れるようになったのだ。

「同作は全国各地を舞台にした『ご当地アニメ』のはしりのような作品。物語で登場した実在するスポットはファンの間で〝聖地〟と呼ばれ、映画やドラマのロケ地巡りのような感覚で聖地巡礼をする人が多いんです。鷲宮神社はこの作品の象徴ともいえる場所で、そこから派生的に初詣の時期にコスチュームマニアが集まるようになったんです」(旅行情報誌編集者)

 もちろん主に披露される人気コスチュームは「らき☆すた」だが、別の作品のキャラに扮する人も多い。過去にはその場でヒーローショーができそうな仮面ライダーやウルトラマンの特撮スーツ姿で現れた猛者も。愛好家だけでなく子供たちにも囲まれ、一般参拝者にも好評だ。

「もともと埼玉県内でも有数のパワースポットでしたがアニメ効果で放送翌年以降は初詣客が急増。12年〜17年には毎年三が日で47万人を記録しており、23年の正月期間中もかなりの参拝者が訪れることが予想されます」(前出・編集者)

 コスプレを見て楽しめるし、神社としてのご利益にも定評。都心から少し離れているが、足を運んでみるのもいいかも。

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