記録的な大雪の影響で、大停電に見舞われた新潟県。地元紙によれば、12月22日朝の時点でいまだ4000戸以上が停電しているという。同日放送の「羽鳥慎一 モーニングショー」(テレビ朝日)では新潟の大雪被害を詳報したが、その後のグルメ特集に疑問の声が寄せられている。
番組で停電の被害を訴えたのはオール電化の家に住む住民。調理器具が電化製のため、カセットコンロを購入して調理を行っているが、問題は食料不足。食品が3品ほどしか入っていない冷凍庫の中を見せて、「今日で3日目だ。あと2日くらいかかるかもしれませんね」と嘆き、和食店の店長は魚の仕入れがまったくできず、「魚というもの自体がないですね。お手上げですね」「商売にならない」と語っていた。
その後、中国の新型コロナ情勢を伝えた後、MCの羽鳥慎一アナが「ちょっと話題変わりますけど」とアナウンスして始まったのが、冷凍グルメ特集。1年の世相を表す「今年の一皿」に冷凍グルメが選ばれたこともあって、一流の味を紹介していった。
「スタジオでは4000円以上する舌平目のムニエルを実食。羽鳥アナがカチコチに凍った食材をレンジに入れて、500ワットで5分加熱。レンジで調理している間、2人分で1万9224円するという三ツ星シェフのフルコースや11貫9800円というお寿司を紹介。そうこうするうちに『チン』と音が鳴って、舌平目のムニエルが完成。テーブルに並べられると、森山みなみアナはその豪華さに『レストランの光景みたい』とコメントし、実食したコメンテーターは『フワッ、フワッ』とその食感を絶賛していました。一流の味が伝わってくる実食シーンでしたが、新潟の大停電を伝えた後ですからね。停電中の世帯ではレンジを使えないどころか、冷凍庫の食材の傷みも悩みのタネ。また、新潟の人が雪を溶かしてカップラーメンを作っていたシーンも流していただけに、高級冷凍グルメとのギャップが際立つ番組構成となりました」(テレビ誌ライ ター)
ネット上では《新潟の人はレンジも使えず明日の食料にも困っているのに》《停電でテレビが見られないから新潟県民は置いてきぼりか》といった声があがる一方、《朝から冷食…モーニングショーがあさイチ化してる》《防衛費とかもっと取り上げる問題あるだろ》《中国より日本のコロナ第8波を取り上げろよ》といったコメントも見られた。庶民には手が届かない高級冷凍グルメを扱ったことで、視聴者からは大不評を買ってしまったようだ。