「広島・横浜・川崎」勝つのはどっち?「絶対に負けられない戦い」は9月10日!

 終盤を迎えたJリーグは毎試合ごと首位が入れ替わる中、上位3チームの争いになりそうだ。

 3日終了現在の暫定順位は首位がサンフレッチェ広島(勝ち点50/得失点差+17/残り試合6)、2位横浜F・マリノスが(勝ち点49/得失点差+24/残り試合9)、3位川崎フロンターレが(勝ち点49/得失点差+15/残り試合8)となっている。

 残り試合数、得失点差を考えれば横浜が一番優勝に近いといえる。しかし、8月の公式戦は4戦全敗。3日のFC東京戦も2-0から2-2に追いつかれるなど、一時期の勢いは見られない。リーグ最強といわれる攻撃力を中心にどこまで復活するか。

 追いかける一番手は3連覇を狙う川崎だろう。一時は首位だった横浜FMに勝ち点11の差をつけられていたが、一気に追いついた。それだけ地力があるということだ。ケガで長期離脱していたジェジエウ、登里享平、大島僚太の復帰も心強く、やっとメンバーが揃ったという感じだ。ところが、ここにきて昨季の得点王レアンドロ・ダミアンが全治10週間の負傷で離脱。今季の復帰は厳しい状況。ダミアンは今季、ここまで5得点と精彩を欠いているとはいえ、前線にいるだけで相手に脅威を与えることができる。彼の抜けた穴をどう埋めるか。

 広島は残り試合が少ないだけに勝ち続けなければいけない。日程的には楽という見方もあるが、横浜、川崎の狙えるタイトルがリーグ戦のみであるのに比べ、広島は天皇杯(準々決勝・9月7日)もルヴァン杯(準決勝・9月21、25日)も残っている。勝ち上がれば試合数は増える。注目は、この3チームが直接対決する唯一のカード、川崎対広島(9月10日)。広島にとっては絶対に負けられない試合になる。

 この3チームは大きな力の差がなく、毎試合ごとに順位が変わる可能性がある。どこかが抜け出すというより、最終戦までもつれ込む可能性のほうが高いのではないか。

(渡辺達也)
1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップアジア予選、アジアカップなど数多くの大会を取材してきた。

スポーツ