森保監督の招集を拒否? 鈴木優磨こそ日本代表の「最終兵器」となる!

 カタールW杯前、日本代表にとって国内最後の試合となったE-1東アジア選手権。海外組を招集できない中、日本が2013年以来2度目の優勝を飾り大会を終えた。

 W杯に向けて、国内組にとって最後のアピールの場。最終26名にサプライズ招集されそうな選手は現れるのかが注目されていた。結果的に、大会MVPと得点王に輝いた相馬勇紀(名古屋)、パリ五輪世代の藤田譲瑠マチ(横浜M)らの名前が挙がった。

 でも、どうだろう。藤田のポジションであるボランチには遠藤航(シュツットガルト)、守田英正(スポルティング)、田中碧(デュッセルドルフ)、柴崎岳(レガネス)がいて、DF登録の板倉滉(ボルシアMG)もいる。正直、代表メンバーに入るのは厳しい。
 
 それは相馬も同様で、左サイドには南野拓実(モナコ)、三笘薫(ブライトン)、さらに経験豊富な原口元気(ウニオン・ベルリン)もいる。その3人に割って入るのは簡単なことではない。

 まして、今回の相手は格下の香港、23歳以下中心の中国、日本と同じく海外組を招集できなかった韓国。しかし、本大会で対戦するのはW杯優勝経験のあるドイツ、スペイン、それにプレーオフを勝ち上がってきたとはいえ、ブラジルW杯でベスト8に進出した経験を持つコスタリカだ。ハッキリ言ってレベルが違いすぎる。E-1で活躍したからといって、本番でも通用するとは思えない。

 それよりも、期待したいのは鈴木優磨(鹿島)だろう。今季、ベルギーリーグのシント=トロイデンから鹿島に復帰し、Jリーグでも格の違いを見せつけている。代表に選ばれていない理由がわからない。

 サッカー界では、森保監督との不仲説が流れている。でも現実は、森保監督が代表に招集しても、鈴木本人が森保ジャパンではプレーしたくないのか、辞退し続けているようだ。

 不動のワントップだった大迫勇也(神戸)が結果を出せず、神戸でもベンチスタートが続き、代わりにワントップを務めた選手たちがインパクトを残せない今、可能性があるのは鈴木しかいない。プレーだけではなく、あれだけ気持ちを前面に出す選手は今の代表にはいない。彼の招集こそが最後のサプライズになる。

 そのためには、本番前の最後の強化試合でもある9月欧州遠征(23日アメリカ戦、27日エクアドル戦)に選ばれるかどうか。この遠征が鈴木にとっても最後のチャンスになる。

(渡辺達也)

1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップアジア予選、アジアカップなど数多くの大会を取材してきた。

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