フロア中に煙、逃げまどう人で阿鼻叫喚…「高級タワマン火災」被害住民が激白

「最初は、火災報知器の誤作動だと思って無視していたんです。でも、だんだんドアの向こうから叫び声が聞こえてきて…」

 こう語るのは、6月13日早朝、東京・品川区にある44階建ての高級タワーマンションで早朝に起きた火災に見舞われた女性だ。

 18階のベランダから火が出て、室外機などを焼き、多数の消防車が出動し、約1時間半後に火は消し止められた。火災が起きた部屋と同じフロアに住むこの女性が続ける。

「叫び声に驚いてドアを開けると、廊下中に煙が立ち込めていて、警察や消防の方が数名と、逃げまどう住民たちがおり、まさに阿鼻叫喚でした。警察の方から『早く逃げてください!』と声をかけられ、パジャマのまま慌てて外に出ましたが、マスクやタオルなどを持っていなかったため、大きく煙を吸い込んでしまい、途中で倒れ込んでしまいました。住民と救急の方が外まで運んで下さり、病院で手当を受け帰宅しました。しかし、タワーマンション特有の内廊下のためか、なかなか換気をすることができないので、火が消し止められた今でも18階のフロアは煙臭く、廊下にいることは困難です。避難時にエレベーターを使うことができたのは、不幸中の幸いでした」

 女性宅は火災のあった部屋から少し離れていたため、燃えることはなかったそう。それでも心に大きなトラウマが残ったと言う。

「叫び声や煙、火災報知器の音が頭から離れず、またいつサイレンが鳴るのかと思うとゆっくり横になることもできません。地震や津波が来ても高級タワーマンションだから大丈夫と安心しきっていましたが、まさか火災が起きるとは思いませんでした。火災の後、同じフロアの方たちと、貴重品を持っていつでも逃げられる準備をしておこうと話し合いました」

 どんなに設備の整った高級マンションであろうと、災害に備えての準備は必要だ。

(佐藤ちひろ)

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