「つくばエクスプレスの発車時刻に最大5秒のズレ発覚!」ってニュースは日本だけ!?

 3月29日、「SankeiBiz」が2019年に「つくばエクスプレス」(TX)で自動運転を管理する大元の時計が約1カ月にわたって0.2~5秒ズレていたことが分かったと報じた。これにネット上では《海外では平気で5分は遅れる。日本は気にしすぎ》といった声も見られるが、果たして本当に気にするほどの問題ではないのだろうか?

「同サイトによれば、2019年3月29日に乗務中の運転士が発車メロディーの鳴るタイミングが通常より早いことに気付いたことで事態が発覚。その後の調査で電波を受信するアンテナの施工工事の際に電波時計が5秒ほど早まっていたとみられることがわかり、約32日間に渡って運行システムの時刻が狂っていたことも明らかになったのです」(情報誌ライター)

TXでは今年3月中旬にも八潮駅で電車が定刻よりも16秒早く発車し、運転手の確認不足だったことを明らかにして謝罪したばかりだった。しかし、ネット上では《3年前に電車が5秒ほど早発していたかもしれないことがニュースになるなんて日本だけだろうな》《海外では5分遅れるなんて当たり前のこと。日本は正確であることにこだわり過ぎていて本当に息苦しい》《海外からは「何言ってんだ?」って鼻で笑われてそう》《TX利用してるけど、マジでどうでもいいわ。アホくさ》など気にする必要がないといった声も少なくない。

「日本は時間に正確すぎるという意見はごもっともですが、だからといって今回のことを見過ごすことはできません。TXでは2017年頃に度重なるオーバーランや駅員が勤務中にSNSに書き込みをおこなっていたこと、トイレ巡回をおこなっていないのに「巡回済み」としていたことなどトラブルや不祥事が重なったことが問題視され、駅員の人手不足や安全意識の低下が指摘されていました。問題となっている約0.5秒の電波時計のズレも、0.5秒早出していたことが問題なのではなく、多くの車掌や運転士など職員が1カ月以上に渡って時計のズレに誰も気づかなかったことにあります。これはうっかりで許されることではありませんし、職員の指導を徹底していなかければ、やがて大きな事故に繋がる可能性もあるのです」(鉄道ジャーナリスト)

たった5秒ではなく、根深い問題があるようだ。

(小林洋三)

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