「R-1」優勝も過去最低視聴率!お見送り芸人しんいちの不運

 お見送り芸人しんいちの優勝で幕を閉じたピン芸人日本一決定戦「R-1グランプリ2022」。優勝後、いくつかの番組にお見送り芸人しんいちが出演したが、あまり話題とならなかった。

「そもそもR-1を放送していたことを知らなかった視聴者が多かった印象です。お笑いコンビのおぎやはぎも自身のラジオ番組『おぎやはぎのメガネびいき』で、自分たちの周りで見ていた人が少なく、フジテレビに普段出入りしているのに放送していることを知らなかったと話し、『宣伝不足じゃないの?』と明かしています。優勝したお見送り芸人しんいちに関しては、ネタは面白かったですがR-1自体が盛り上がらなかったこともあり、期待されたほど注目されていません。運が悪かったというしかない」(民放関係者)

 平均世帯視聴率も関東地区では6.3%、毎年人気の高い関西地区でも10.2%(ビデオリサーチ調べ)と、去年より数字を落とした。20回目の記念大会としては、非常に残念な結果となっている。

 人気低迷の原因を、先の民放関係者が明かしてくれた。

「ここ最近では、粗品や野田クリスタル、ゆりやんレトリィバァなどすでに人気のある芸人が優勝したことで、R-1としての独自性が無くなりました。視聴者は見たこともないようなピン芸人の面白い芸を見たいわけで、大会に飽きはじめているようです。また、記念すべき20回大会なら過去の優勝者を集めるなど盛り上げる施策はいくらでもあった。にもかかわらず、結局は何も行わなかった。制作サイドのやる気にも陰りが見えています」

 さらに、問題はフジテレビと関西テレビの微妙な関係にもあるという。

「これまで、吉本興業を主催として、関西テレビとフジテレビが協力する形で制作していました。ところが第19回大会からは関西テレビの単独制作となった。フジとしては、あまり主力のコンテンツとして考えておらず、だから宣伝も積極的に行わなかったのでしょう。フジの上層部の中では、R-1を生放送する必要があるのかと疑問視する声もあるようです。というのも、昨年は進行がドタバタであわや放送事故寸前まで大混乱した生放送になりましたからね。来年以降は、生放送で取り扱うかはいまのところは未定のようです」(同)

 そこで、R-1に関してはとある“手直し”が起案されているという。

「主催の吉本興業はいまライブ配信に力を入れていて、実際にマヂカルラブリーや空気階段などは、自らのイベントでかなりの稼ぎを上げている。そこで、R-1はライブ配信をメインにして、テレビではそれを編集したものを放送すれば良いのではといった案もあるようです。新しい形にすれば話題になりますし、一部を有料化すれば収益にもなる。他の事務所にも利益を配分するようにすれば、確かに今よりは盛り上がりそうですよね」(同)

 M-1やキング・オブ・コントよりも話題性に欠ける「R-1グランプリ」。今後、どう調整が行われるのか? 注目していきたい。

(渡邊伸明)

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