バストからピンク色の玉が…「ピンクリボンデザイン大賞」が大炎上

 日本対がん協会が主管する「ピンクリボンデザイン大賞」の過去の入選作品の数々に対し、SNS上で《女性蔑視的》《患者をバカにしている》などと指摘する声が広がり、炎上している。
 
 21日、日本対がん協会は「選考の責任はわたくしども協会にあり、お気持ちを傷つけてしまった患者さんやご家族のみなさまにお詫びを申し上げます」「また、偏った価値観に基づいて作品が選ばれているとのご批判もいただきました。ご意見を真摯に受け止め、よりよい啓発活動のあり方を探ってまいります」とサイト上に謝罪文を掲載したが、ネット上では未だ受賞作品について批判の声が広がっている。それもそのはず、問題視されたデザインはひとつやふたつにとどまらないからだ。
 
「ピンクリボンデザイン大賞」とは、乳がん早期発見の大切さや検診受診を呼びかけるポスターやコピーを募集し、啓発の役割を担う作品を選ぶコンテストだ。中でも特に問題視されたポスターは、女性のバストに見立てたような肌色のガラポンからピンク色の玉が出た場面に「『まさか、私が』と毎年9万人が言う」と記されたデザインだった。

 他にも、ふくよかな女性がお菓子を食べながらゴロゴロしている後ろ姿のイラストに「そのうちね。」という女性のセリフと「体重だけではありません。乳がんのリスクも増やさないように。検診を受けましょう。」という啓発メッセージが記されたものや、メジャーをピンクリボンのマークに見立てたイラストに「ウエストよりも気にしてほしい」と記されたもの、スケジュール帳の午後の欄に「脱毛」「ネイル」の予定が記されたイラストには「午前中、空いてるじゃない」「行きなさいよ、乳がん検診」「ムダ毛処理より、お手軽」などと記載されたものも指摘の対象となった。
 
 SNS上では《女性のイメージが偏りすぎ》《ただの差別的な表現ばかりで悲しい》《がん患者家族の自分はかなり傷ついたし当事者の方はもっと心がえぐられるだろうな》《「女性の胸を使ってなんか上手いこと言ったろ」感がすごい》《これだけ何作も問題作品が出てくるんだから、選考してる側の配慮の問題だと思う》など各作品や選考側への批判の声が止まない状態だ。
 
 最新の受賞作品発表は昨年10月に行われていたが、こうした指摘があがっていなかったのは炎上する今の今まであまり女性の目に触れてこなかったからではないだろうか。当該作品は炎上をきっかけに多くの女性の目に触れることとなったが、啓発の目的が達成できたのかは疑問である。
 
(浜野ふみ)

ライフ