全国初、駅ホームに「クリニック」がオープン!オンライン診療ブースも併設

 近年、充実化が進む「駅ナカ施設」。そんな中、JR東日本は中央線の西国分寺駅のホーム上に診療所「あおいクリニック 駅ホーム西国分寺」を4月に開業することを発表。駅ビルなどにテナントとして入るケースは以前から数多くあったが、列車を待つ駅ホーム上での医療施設としては全国初の試みだ。
 
 診療所の広さは約10坪。受付と診察室、検査室を備えた小さいながらもれっきとした〝病院〟だ。対面診察が可能なのは専門医が常駐する内科のみだが、クリニックには「オンライン診療ブース」も設置予定。モニター越しに皮膚科や耳鼻科、婦人科など複数の診療科の医師から診察を受けることもできる。

「コロナ禍で導入する医療機関が増えたとはいえ、日本ではまだまだ対面診療が一般的。でも、オンライン診療を積極活用した駅ホーム診療所が各地に誕生すれば、医療業界の大きなトレンドとなって一気に普及する可能性はあります」(医療ジャーナリスト)

 オンライン診療はスマホで予約可能で、待ち時間なしで診察を受けることができる。しかも、診察時間は平日8〜12時、13〜21時(※土日祝は9〜13時、14〜18時)と朝と夜にも行っており、通勤中や帰宅中に立ち寄ることできて、普段仕事でなかなか病院に行けない忙しいサラリーマンにも便利だ。

「これなら朝の通勤途中に診察してもらい、会社最寄り駅近くの処方薬局で薬を受け取ることもでき、通院にかかる時間ロスは最小限に抑えられます。また、医師にとってもオンラインなら産休中でも対応できるため、このシステムなら人材を有効活用できます」(同)

 JR東日本はオンライン診療を活用した「スマート健康ステーション」と呼ぶ駅ホーム診療所を首都圏のみならず全国各地に展開することを目指している。なかには医師不足が問題になっている地域もあるため、この取り組みが医療格差是正の一助となることを期待したい。

(高島昌俊)

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