11月30日、「三省堂辞書を編む人が選ぶ『今年の新語2021』」の選考発表会が行われ、今年を代表する新語の大賞に「チルい」が選出された。「チルい」は「落ち着く」や「冷静になる」といった意味のある「chill out」を形容詞化したものだが、ネット上では「聞いたこともない」といった困惑の声が相次いでいる。
「『今年の新語』は14年に三省堂の辞書編集者である飯間浩明氏が個人的にWEBで募集・選定していたものが、翌15年から反響を受けて三省堂主催となり、今年で8回目を迎えました。なお、14年は『ワンチャン』、15年は『じわる』、16年は『ほぼほぼ』、17年は『忖度』、18年は『ばえる(映える)』、19年は『◯◯ペイ』、20年は『ぴえん』が大賞に選ばれていました。今年は『◯◯ガチャ』や『マリトッツォ』『投げ銭』『人流』などの言葉の中から『チルい』が大賞に選出されたのです」(社会部記者)
「チルい」は若者たちが主にリラックスしたい時に使う言葉で、「この音楽チルい」や「カフェでチルする?」などといった使われ方をするが、高校生向けの広告・マーケティングを行うアイ・エヌ・ジー社が発表した「高校生的2021年流行語大賞」の中でも「チルい」は得票率4%の9位。それほど若者の中でも注目されていた言葉ではないようで、ネット上でも《「チルい」って何だ?完全に初耳なんだけど》《新語のトップ10を見てみたけど、唯一知らなかったのだが「チルい」だけだった…》《聞いたこともない言葉が大賞って納得できんな》《マジでどこの国の新語なんだよって感じ》など知らないとする声が殺到している。
「『今年の新語』はその年に“よく見た”“よく聞いた”言葉を一般から募集して、その中から辞書を編纂する言葉の専門家が辞書に残したい言葉を選ぶというものなので、『ユーキャン 新語・流行語大賞』のようにその年に最も使われたり、話題になった言葉が必ずしも大賞に選ばれるわけではないのです。そう考えてみると、確かに『◯◯ガチャ』や『マリトッツォ』『投げ銭』などに比べると『チルい』の方が意味に多様性があるぶん、辞書に載せるのに相応しい言葉かもしれませんね」(メディアライター)
知らない言葉だからと熱くならず、チルく受け入れてもらいたいところだ。
(小林洋三)