ドSキャラで頂点に! 浜田雅功が今田耕司と東野幸治をボコった真意

 ダウンタウンの浜田雅功といえば、芸人屈指の名司会者。あえてドSに振る舞うことで、大勢のゲストとの距離感を縮める天才だ。バラエティ番組で強烈なビンタを食らわせたタレントは数多く、兄弟漫才師のミキの昴生、オードリーの春日俊彰、関ジャニ∞の村上信五、さらに大先輩の志村けんにもくらわせたことがある。

 浜田がツッコミという名の制裁を加える根底には、信頼関係がある。ダウンタウンで司会を務める長寿トーク番組「ダウンタウンDX」(日本テレビ系)は、在阪時代から共に作品づくりをしている幼なじみの構成作家・高須光聖や芸人の木村祐一がスタッフに名を連ねる。ゆえに、現場でわざとピリつかせることがある。

「カンペを出し遅れたスタッフに、『はよ出せや!』と怒鳴り。カンペの文字を間違えたスタッフには、『どこ読むの? 書いてることと出してること、違うがな』と嫌味たっぷり。タイトルコールを2回やることになったときは、『もう1回やんのかい!』『なんやねん、おまえ、こらぁ! もうやらへん!』と巻き舌で怒ったこともあります」(芸能関係者)

「ダウンタウンDX」では、出したばかりの小道具を間違えて片づけてしまったスタッフを叩き、蹴り飛ばした。はけようとするスタッフを、両手で張り飛ばしたこともある。羅列すると暴力的だが、これらはすべて観覧客がいる前で行なったサービスの一環。スタッフへの公開処刑と見て取れるが、浜田にとっては親愛と信頼の裏返し。当然、手加減をしている。

 しかしこれは、キャリア40年でアラ還となった今だから許される行為。在阪時代の20代は、もっと荒々しかったという。トガりまくっていたダウンタウンの後輩といえば同じく20代の今田耕司と東野幸治。2人は同じマンションに住んでいたが、ある日、吉本の大先輩がいる現場に寝坊で遅刻した。

「現場に着くや、浜田さんから『なに遅れとんじゃ、こらーっ!』と怒鳴られて、殴る蹴る。2人はなす術がなく、人間サンドバッグ状態に……。見かねたスタッフが止めに入り、事なきを得たといいます」(前出・芸能関係者)

 これは、浜田の計算だった。暴れ回ったあとは2人に歩み寄り、「ごめんな。でも、こうするほうが2人のためや」とささやいた。横にいた松本人志は沈黙。現場を引き締めるために、あえて矢面に立った浜田に対して、大師匠のオール巨人は、「浜田くんはあえて憎まれ役を引き受けた」と東野に説明した。

 現在、浜田のレギュラー番組は6本。地元の関西が制作する「浜ちゃんが!」(読売・日テレ系)と関西ローカルの「ごぶごぶ」(毎日放送)は肩の力を抜いた普段着トークがウリだが、進行は後輩に任せている。この度量の広さこそが、浜田の魅力。加虐的でもオファーが途絶えない理由は、ここにある。

(北村ともこ)

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