炭谷が楽天正捕手になって「巨人との別トレード」説が急浮上!

 このトレード劇には、やっぱり「続き」がある? 

 炭谷銀仁朗捕手の金銭トレードによる東北楽天ゴールデンイーグルスへの移籍が発表されたのは、7月4日。翌5日には入団会見と支配下・出場登録がされ、実際の出場こそなかったが、ベンチ入りするという“駆け足ぶり”だった。

「翌6日、9回最後のイニングでマスクをかぶっています。楽天に移籍し、最初にボールを受けたのがクローザーの松井裕樹。7日には田中将大、8日は岸孝之とバッテリーを組みました」(スポーツ紙記者)

 6日、炭谷のミットにはYGマークの刺繍がされていた。間に合わなかったのだろう。

 石井一久GM兼監督の期待の大きさが伺えるが、一軍登録の選手数には限りがある。最大31人(コロナ特例)、炭谷と入れ換えで抹消された選手に「どうして?」の声も寄せられていた。

「5日に一軍登録されたのは、炭谷と牧田和久投手。抹消されたのは、足立祐一捕手と森原康平投手でした」(同前)

 同じポジションの足立の降格はともかく、牧田と森原の入れ換えには驚かされた。森原は松井裕樹のクローザー再転向により、今季はセットアッパーだが、救援投手の頭数に苦しむ楽天には欠かせない存在だ。

「今回のトレード成立でいちばん関心を集めたのは、交換トレードではなく、金銭トレードだったことです。なのに、何も求めませんでした」(同前)

 楽天も投手事情が厳しい。炭谷と釣り合う交換要員のピッチャーを出せなかったのが真相ではないだろうか。

「トレード期限は7月末まで。楽天も首位オリックスを追撃するため、今は投手を一人も放出できないが、時期を変えれば応じられると伝えたのでは」(同前)

 この後、巨人側に投手を送り出す別トレードがあるとの予想だ。

 もっとも、交換要員を求めなかったのも、「飼い殺しはしない」という巨人の“選手ファースト”の一環なのかもしれない。炭谷は古巣・埼玉西武との交流戦で自身の人的補償として移籍した内海哲也と対戦している。その第一打席で、巨人時代に内海が使っていた登場曲を掛けてもらい、打席に立っている。自身の試合に出たいという移籍願望のために他の人を巻き込んでしまった、そんな負い目を2年強が経過した今も抱えている…。交換要員を求めなかったのは、炭谷を傷つけたくないとする配慮だったのではないだろうか。

「巨人は今も投手の補強を模索しているようです」(同前)

 両球団の間で新たな動きが見られるのかもしれない。

(スポーツライター・飯山満)

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