3月17日、日本銀行は2020年10~12月の資金循環統計を発表し、個人が預金せずに保有する現金、いわゆる「タンス預金」が101兆円となり、初めて100兆円の大台を突破していたことが明らかになった。
「個人が保有する現金は財布に入っているものも含まれるため101兆円のすべてがタンス預金というわけではありませんが、銀行に預けず使用していない現金の保有額が前年比で5.2%も増えているわけですから、経済が回らなくなっているのは間違いありませんよね」(経済ジャーナリスト)
保有する現金が増えた背景には、新型コロナウイルス感染拡大の影響で外出することが減り、お金を使う機会が失ったこともあるが、政府が昨年支給した一律10万円の定額給付金がタンス預金化している傾向もかなり強いという。
「タンス預金は『いざという時にすぐに使える』『銀行の倒産に影響されない』『引き出すための手数料がかからない』などのメリットがあり、高齢者を中心に貯め込んでいる場合が多いのですが、最近では高齢者のタンス預金を狙った空き巣被害が急増していることもあり決しておすすめはできません。コロナ禍で外出する機会が少ないから安心と思われているかもしれませんが、空き巣は警察関係者や役所の人間になりすまし何だかんだ理由を付けて住人を家から出るように促し、その隙に他のメンバーが家に忍び込んで金品を奪うグルのパターンが多い。タンス預金増の傾向は、こうした輩にとってはウハウハの状況なんです」(犯罪ジャーナリスト)
自宅に置く現金はほどほどに。
(小林洋三)