間違いだらけの「ビジネス敬語」これだけで一発矯正

 普段は、冗談も言い合える上司と同僚としか接することがないので気にも留めていなかったけど、いざ、上役の揃う会議に出席したときに、自分があまりに敬語ができなくて恥ずかしくなったという経験はないでしょうか?

「若い人に多いのが、敬語を重ねてしまうことですね。例えば『おっしゃられる』というのは『おっしゃ』と『られる』の二重敬語。『おっしゃる』でいいのです。また役職に様をつけてしまう例も多いようですね。部長様、社長様といった具合です。役職は敬称なので、そのまま呼んでいいのです」(マナー講師)

 ちなみに、20代を対象にこうした二重敬語について聞いてみると「丁寧な感じがするので、嫌ではない」という声が多数。だからこそ、「特に直さなくても大丈夫」と思っている人も多いようですが、やはり、ビジネスシーンにおいて正しい敬語を使うことは必須なのではないでしょうか?

「『れる』『られる』の使用を控えれば、敬語表現の乱れの4割ほどは改善できます。『新規事業案の見直しを求められていた社長が……』という一文があるとします。これだと、『社長が部下に事業案の見直しを求めた』とも『社長が他者から見直しを求められた』とも取れるわけです。前者の意味で言いたいならば、『見直しを求めておられた』とすれば、すっきりとした敬語になります」(前出・マナー講師)

 つまり、動詞に敬語表現をつけてしまうのが間違いの元なのだ。

「言いたいことの中心をまず言ってしまえばいいんです。テレビなどでも『ご覧になっていた』という表現が出てきますが、末尾の『いる』に敬語がないので誤り。まず『見て』と言ってしまい、『おられた』『いらっしゃる』と敬語で整えればいいんです」(前出・マナー講師)

 よくある間違い敬語の例を見てみましょう。

■ご活躍されている/末尾に敬語がないのでNG。正しくは「活躍しておられる」
■お食事はおすみになりましたか?/「食事がすむ」という状態に尊敬表現は不要。正しくは「おすませですか?」
■ご結婚なさっている/これも末尾に敬語がない。正しくは「結婚しておられる」
■お気づきの方はお知らせしてください/「して」に敬語がないのでNG。正しくは「お知らせください」

 会社は上下関係の宝庫。正しい敬語をしっかり使いこなすことで、周囲の評価もアップすることでしょう。

(酒田美樹)

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