治療費1000万円超!?「京アニ放火」青葉容疑者は拘置所でも「特別待遇」だった

「京都アニメーション」の第1スタジオで昨年7月、36人の命が奪われた放火殺人事件で京都府警は5月27日、殺人などの疑いで青葉真司容疑者を逮捕した。

 同容疑者の逮捕は事件から10カ月を経て、ということになるが、「府警は当初、今年1月ごろの逮捕を予定していたんですが、数十回に及ぶ手術の影響もあり、発熱などの症状が消えず、容体が安定しなかった。で、4月まで先送りになり、なんとか4月下旬には、という最中、新型コロナの感染が拡大。大阪拘置所でも職員8人の感染が確認され、タイミングを逃してしまった。青葉容疑者も回復傾向にあるものの、全身にやけどを負った後で、感染すれば重篤化する恐れがある。せっかく命を助けてやってもコロナで死なれては何にもならない。そこで、京都府警としては『容体が回復傾向にあり、逃亡や罪証隠滅の恐れがある』と、青葉容疑者の状態をアナウンスしたうえでの逮捕となったようです」(全国紙社会部記者)

 青葉容疑者は放火の犯行におよんだ際に重いやけどを負い、ほぼ寝たきりの状態だったが、「やけどは全身の90%に渡り、皮下組織まで達する重いもので、正直、死んでもおかしくなかった。そんな青葉容疑者に対して高度な医療技術を施し、10カ月間、治療を続けたのは、何が何でも裁判に持ち込み、真相を解明しなければならない、という捜査関係者の思いがあったからこそ。ただし、近大病院に117日、京都市内の病院に198日、計315日間入院し、これまでに十回以上の手術を行ってきた青葉容疑者の治療費は少なくみても1000万円以上。容疑者は生活保護受給者のため、治療費は全額、国や自治体から支出されることになります。逮捕と同時に治療費に関する報道が出たこともあり、ネット上では《強烈な金額だな。どう解釈すればいいんだ》《最高レベルの医療で救った命なのに、また裁判で死刑か否かを争うのか。国家権力の恐ろしさを感じる》といった書き込みに交じって《金の出所云々より一番辛かったのは類稀な殺人犯を治療し続けた医療スタッフなんじゃないかな?》と、医療チームの複雑な心情を慮ったコメントが多くみられました」(ワイドショースタッフ)

 1000万円の概算を伝えた東京新聞(5月28日付)によれば、《医療機関向けに培養表皮を製造している国内の会社は、表皮一枚(長さ十センチ、幅八センチ)当たり十五万四千円で提供している。加えて、患者の細胞採取と培養などに約四百五十万円かかる。同様の処置を行った青葉容疑者の治療費は、少なくとも一千万円に上るとみられる》とし、健康保険に加入していれば、自己負担は治療費の三割のみ。ただし、生活保護受給者の治療費は全額保護費で賄われるため、青葉容疑者の治療費はすべて税金ということになる。

「しかも、逮捕後の治療費は警察の負担、これも要は税金です。しかも、ようやく逮捕した矢先に、コロナに感染して重症化されてはたまらない、とばかりに拘置所内でも容疑者の部屋は、特別に入念な除菌が行われているという話ですからね。真相究明のためとはいえ、何とも言えない気持ちになりますね」(前出・社会部記者)

 こうした「特別待遇」を受けながら、専門家によれば、精神鑑定も含めて起訴までには最低でも4カ月はかかるそうで、裁判の長期化も避けられないという。判決までに2年以上かかる可能性も指摘されている。

 ともあれ、高度な医療で「生還」した稀代の殺人鬼が行った所業の、一日も早い全容解明を望むばかりだ。

(灯倫太郎)

ライフ