実力派の若手女優として今年2月スタートの「アリバイ崩し承ります」(テレビ朝日系)にてプライム帯ドラマでの初主演を務めた浜辺美波。ドラマや映画はもちろん、数々のCMでもその存在感を示すピュア系女優が歩んできた軌跡を、10歳での芸能界入りまで時を戻して振り返りたい。
「芸名のよう」と言われがちだが、正真正銘の本名で、美波という名前は父親が90年代後半に大ヒットした「タッチ」のヒロイン・浅倉南にちなんで命名したという。
だが南ちゃんとは違って運動は苦手。中学では吹奏楽部でフルートを担当し、硬筆習字では石川県で特選賞に輝くなど見た目通りの文系少女だったようだ。その吹奏楽部では楽譜が読めないことを周りに隠し、音符にこっそりドレミを書き添えていたという。
その浜辺が芸能界に入ったのは、小4でエントリーした「東宝シンデレラオーディション」でニュージェネレーション賞を受賞したことがキッカケ。母親が応募し、本人は受かる気がせず特技披露もしなかったがなぜか合格したと語る。
「東宝芸能ではのちに、中学生くらいの応募者にこれといった原石が見つからなかったと明かしています。グランプリの上白石萌歌も1歳違いの小5でしたし、時の運にも恵まれたあたり、芸能界で必要な強運の持ち主と言えるのかもしれません」(芸能ライター)
当時は今よりキリッとした顔つきで、透明感というより強めの美少女といった雰囲気。2012年にはドラマ「浪花少年探偵団」(TBS系)にレギュラー出演するものの、当時の仕事で最も広く知られるのは嵐の相葉雅紀と共演した「バーモントカレー」のCMだったかもしれない。
そんな“子役”だった彼女に転機が訪れたのは2015年、中3でNHK連続テレビ小説「まれ」に抜てきされたこと。わずか3話だけの出演ながら「おばあちゃんの友達からも(見たと)すごく言われるようになって反響がありました」とのことで知名度は一気に上昇した。
「まれ」人気にあやかって、同年には初写真集の「瞬間」をリリース。まだ中3とあって艶要素は皆無ながら、肩にかかるロングヘアで大人びた雰囲気も。取材でも言葉を選びつつ質問者の目を見てよどみなく答える姿には、将来の大物女優の片鱗が感じられたようだ。
同年9月には人気アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の実写ドラマ版にて、幼少時に亡くなったヒロイン“めんま”の幽霊を担当。難しい役柄をその透明感で好演し、女優としての評価が爆上がりするなど、15年は飛躍の一年となったようだ。