菅野智之、今季にかける“新フォーム”で起きた捕手も困らせる“劇的変化”とは

 巨人のエース・菅野智之が2月23日、楽天とのオープン戦(那覇)に臨んだ。

 今季初実戦となったこの日は、3回3安打1失点で最速150キロを記録し、腕を先に動かす新投球フォームがハマッているようだが、効果はそれだけではなかった。

「このキャンプで菅野がテストしていることが、もう一つあります。カーブです。真っ直ぐとスライダーを軸にするピッチャーですが、対戦打者の目先を変えるため、“横の変化球”に“縦の軌道”を加えたいとしています」(スポーツ紙記者)

 しかし、その“横の変化球”であるスライダーにも新フォームは影響を及ぼしていた。

「ブルペン捕手たちが菅野のボールが捕りにくいとこぼしていましたね」
 とは、キャンプを視察に訪れていた某球界関係者。
 
 通常、ブルペンなどで投げ込み練習をする場合、投手側が顔の付近で手首を曲げる、あるいは曲がる方向を指で差すなどして、ブルペン捕手に球種を教えている。さらに菅野のようにキャリアの長い投手であれば、ブルペン捕手たちもキャッチングに慣れているはずなのだが、投球フォームを変えた今年、変化球の全球種の軌道が変わったというのだ。

「『ホームベースの直前で変わる感じ』という話が聞こえてきました。一瞬、真っ直ぐと間違えるほどだそうです。曲がり幅が大きくなったものや、鋭角になったものなどがあり、とにかくホームベース直前で曲がるので、前もって球種を教えられていても捕りにくいのだそうです」(前出・球界関係者)
 
 菅野は23日に3回を投げ終えマウンドを降りる際、納得の表情を見せており、新投球フォームに確実な手応えを感じている様子だった。昨季不振に苦しんでいたエースに自信が蘇ってきたのはチームにとっても喜ばしい限り。果たして、ブルペン捕手を困らせるほどの変化は、公式戦で活かすことができるのか。
 
(スポーツライター・飯山満)

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