長距離運転時に“集中力低下”を招く「かくれ脱水」ってなんだ?

 ホンダが「Honda DRIVE WATER」なるペットボトル飲料水を製作。昨年末、お歳暮ならぬ「帰省暮」としてメディアに贈った。

 自動車メーカーがどんな水を作ったのか気になったが、中身はただのミネラルウォーターだった。“ただの水”を贈るとは、なにかの冗談か? だが実は、深い理由があった。

 ホンダが伝えたかったのは「かくれ脱水」の知識。耳慣れない言葉だが、かくれ脱水とは何なのか。

「かくれ脱水とは、自分では気づかないうちに体内の水分が減少し、脱水症の一歩手前の状態になることです。症状としては、集中力の低下や疲労感、気分が悪くなるなどが挙げられます」(医療ライター)

 しかも、かくれ脱水は冬の車内で起こりやすくなるという。

「冬の車内は暖房で乾燥しやすくなります。すると、皮膚や粘膜、呼気から水分が蒸発しやすくなります。その結果、体内の水分が減少していき、かくれ脱水を引き起こしてしまうのです」(前出・医療ライター)

 かくれ脱水を防ぐには、1時間ごとに200mlを目安に水分補給をすることが大事だという。「Honda DRIVE WATER」は運転時間に合わせて200ml(1時間)、300ml(1.5時間)、500ml(2.5時間)の3本セットだった。とはいえ、“ただの水”なので市販のミネラルウォーターでもまったく問題ない。長距離運転だけでなく、日頃から車内での水分摂取が肝要だ。だが、水を飲み過ぎると、別の問題も出てくる。

「家族でのロングドライブに関する調査2019」というアンケートがある。それによると、高速道路で困ったことの1位「出口や分岐を間違えた」に続き、2位は「渋滞中にトイレに行きたくなった」、3位「SA・PAから距離のあるところでトイレに行きたくなった」と、2位と3位がトイレがらみ。

「こうしたかことから、長距離の高速運転時に水分を摂らないドライバーもいますが、水分補給をためらうと、かくれ脱水を招くことがあります。適度な水分補給を心がけることが大事。また、余裕を持ったドライブ計画を立て、SAやPAではトイレに必ず行くこと。万が一のために携帯トイレも準備しておくといいでしょう」(前出・医療系ライター)

 運転時間に合わせて、ミネラルウオーターを用意したい。

(石田英明)

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