12月13日、「大日本住友製薬」が再生細胞薬の開発から販売を手掛けるバイオベンチャー「サンバイオ」との再生細胞医薬品「SB623」の共同開発を中止し、ライセンス契約を解消したと発表したことにより、投資家たちからは悲鳴が上がっている。
「サンバイオは、慢性期脳梗塞を治療する再生細胞医薬品『SB623』がアメリカの臨床試験(治験)で承認されるのではとの期待感から、昨年11月3600円台だった株価が今年1月21日には3倍以上の1万2730円にまで跳ね上がっていました。しかし、1月29日に米国の臨床試験で『主要評価項目を達成できなかった』ことが発表されると株価は大暴落し、2400円台まで大幅に下落したのです」(経済ジャーナリスト)
この株価暴落により、ネット上にはサンバイオ株を保有していた投資家たちから《サンバイオで死亡しました。人生終わった…》《サンバイオ保有で億単位の損失が確定》などの悲痛な書き込みが相次ぎ、“サンバイオショック”などと呼ばれ大きな話題となっていた。
そして今回、大日本住友がサンバイオとの契約解消を発表したことで、「SB623」の米国の治験での承認が絶望的になったとの見方が強まり、12月3日には一時4500円に迫るまでに回復していたサンバイオ株は16日には再び3400円台に下落。今後の落ち込みも予想され、《サンバイオショック再び!》との声が上がっているのだ。
「バイオ関連株は新薬への期待で株価が急上昇することもありますが、治験で承認されないことで暴落する危険性も孕んでいます。16年には、同じくバイオベンチャーの『アキュセラ』が治験の失敗によって6日連続のストップ安を記録し、その後上場廃止となりました。サンバイオは今後も単独で『SB623』の開発を続けると表明していますが、非常に厳しい状況にあることは間違いありません」(同)
また相場から退場する投資家が増えなければいいが…。
(小林洋三)