今年の夏は例年以上の暑さになると、2月に気象庁が長期予報を出したが、まだ6月にもかかわらず各地で35度以上の猛暑日が記録されている。この調子だと7~8月には最高気温が40度を突破する地域も増えそうな勢いだ。
そこで気になるのは「避暑地」の存在。意外なようだが、東京、大阪、名古屋の3大都市圏から行きやすい場所にも避暑地は数多く存在する。
まずは首都圏から紹介しよう。最近注目を集めているのが、房総半島の勝浦だ。8月の平均最高気温は29.0度と都心より2、3度低いだけだが、この差が体感的には大きいのだ。しかも、驚くことに1906年の観測開始以来、猛暑日を記録したことがないのである。また、勝浦に隣接する御宿も、海水浴だけでなく避暑地としても人気だ。
「太平洋側沿岸を北上すると、さらに気温も低くなります。茨城県北部の高萩や北茨城は夏でも過ごしやすく、観光地ではないのでのんびり過ごせます」(旅行誌編集者)
同じ関東でも栃木県の避暑地は北部の山間部に集中する。日光や那須高原といった人気観光地は避暑地としても定番だが、穴場を狙うなら川治温泉や湯西川温泉など、野岩鉄道の沿線が狙い目。群馬県も同じく北部から西部にかけての山間部で、中でも草津や万座といった温泉地は、標高があるので朝晩は肌寒いほど。宿泊施設も多いので宿も確保しやすいだろう。
一方、関西だと標高約800メートルの山の上に寺院町が形成されている和歌山県の高野山の他、桜の一大スポットとして知られる奈良県の吉野も避暑地として人気だ。
「どちらも大阪市内から私鉄特急が出ています。他にも、大阪南部の犬鳴山、陰陽師で有名な貴船神社のある京都の貴船地区も関西では貴重な避暑地です」(前出・編集者)
最後に中京圏。御在所岳の中腹400メートルの位置にある三重県の湯の山温泉、愛知県北東部の山深い場所にある茶臼山高原、福井県との県境付近にありながら高速道路(東海北陸道)が近くにありアクセスが容易なひるがの高原などがあげられる。
「名古屋から少々時間がかかりますが、岐阜県北東部にある奥飛騨の温泉やキャンプ場も標高が高く、夏場でも下界と違って涼を味わえます」(前出・編集者)
避暑地でしっかりリフレッシュして酷暑を乗り切りたいものだ。
*写真は、関西有数の避暑地でも知られる高野山の町並み