4月13日に開幕した大阪・関西万博。インドやベトナムなど5カ国が工事の遅れを理由に間に合わないことが発表されたが、国や企業などのパビリオンの数は180以上。だが、27年に横浜でも“もう1つの万博”の開催を控えていることをご存じだろうか?
それは「2027横浜国際園芸博覧会」。会場は戦後、米軍基地として使用されていた横浜市瀬谷区・旭区にまたがるエリアにある旧上瀬谷通信施設の跡地。敷地面積は約100ヘクタールと大阪・関西万博(約155ヘクタール)ほどではないとはいえ、1975年の沖縄海洋博、1985年のつくば万博とほぼ同じ広さだ。
ただし、「GREEN×EXPO 2027」とも呼ばれるこのイベントでは、万博のような建物によるパビリオン主体の展示とは一線を画す。テーマのひとつに「自然との調和」、「緑や農による共存」を掲げており、庭園などと組み合わせ展示になると見られている。
ちなみに出店内定者は、「開催まであと2年」とのリリースが発表された3月19日時点で377件。まだ開幕まで2年近くあることを考えると、さらに増えることが予想される。だが、一般の知名度は今ひとつで、開催2年前の時点で大半の国民が知っていた大阪・関西万博とはあまりに対照的だ。
「ただ、会場には趣向を凝らした数々の庭園が並ぶため、ネット上には《万博より園芸博のほうが気になる》といった好意的なコメントを見かけます。それに万博のように中止を求める声もあまり聞かれません」(万博・博覧会事情に詳しいジャーナリスト)
しかし、知名度の低さはやはり気になるところ。このままでは目標に設定した有料来場者数1000万人も危うくなってくる。自然や環境に配慮されたコンセプトは共感できるだけに、今後のPRなどが課題になりそうだ。
※写真は、GREEN×EXPO 2027の会場イメージ(公式リリースより)