「練習は家でして」南港ストリートピアノが炎上した根本原因

 大阪市の商業施設ATCシーサイドテラス内に設置された「南港ストリートピアノ」の公式Xが3月25日、「練習は家でしてください」と投稿して物議を醸している件に関し、「沢山の方に不愉快な思いをさせてしまった」と謝罪。ピアノを撤去する方針を明らかにした。

 22日、南港ストリートピアノの運営者はXに「こんな掲示はしたくなかった、、というのが正直な気持ちです、、『練習は家でしてください』」と投稿。合わせて、「練習を重ねてつっかえずに弾けるようになってから、ここで発表して頂けたら幸いです。誰かに届いてこそ『音楽』です。手前よがりな演奏は『苦音』です」とポスト。

 これにネット上では批判の声が殺到。音楽業界からも多くのコメントが寄せられ、ミュージシャンのGACKT氏も公式Xで「手前よがりな演奏は苦音か…笑」と呆れた様子で、「最初から上手く弾ける人なんていない。誰もが不器用で拙い一歩から始まり、練習を重ねながら少しずつ前に進んでいく。未熟さを笑ってしまったら、成長の芽はそこで止まってしまう」と港南ピアノの投稿に苦言を呈したのだった。

「練習を重ねてつっかえずに弾けるような演奏を求めるのであれば、お金を払ってプロに依頼すべきですし、それを自由に演奏してくださいと設置したストリートピアノを弾く素人に求めれば、批判の声が出てしまうのは当然でしょう。ただ、今回の炎上で一番の問題はXでの投稿ではなく、南港ストリートピアノが商業施設内のカフェに併設されていたことだと思います。運営側も謝罪にあたり『ストリートピアノという呼称の認識を誤っておりましたことも重ねてお詫び申し上げます』としていますが、本来、ストリートピアノは町中や駅、空港などに設置され、演奏に興味がある人が立ち止まって聞くもの。それを飲食店近くに設置すれば、そこでご飯を食べている人は興味のない下手な演奏であっても嫌でも聞かなければなりません。今後、ピアノは撤去する方針といいます。もっと弾きたい人が自由に弾ける、聞きたい人が自由に聞ける場所に改めて設置できればいいのですが」(フリージャーナリスト)

 そもそも設置場所が間違っていたか。

(小林洋三)

ライフ