「協会はお金が目的」八村塁の爆弾発言で浮き彫りになったバスケ協会との「決定的亀裂」と「黒歴史」

 米プロバスケットボール(NBA)レイカーズの八村塁が、日本バスケットボール協会(JBA)を「批判」したことが話題になっている。NBAの対グリーズリーズ戦(日本時間11月14日)の試合後に、八村はJBAの強化運営方針について「お金の目的がある気がする」と言い放ったのだ。

 さらには、パリ五輪で3戦全敗でも続投が決定したトム・ホーバス男子日本代表監督についても、「僕らは日本代表の男子のトッププレーヤーなので、男子のことをわかっている、アスリートとして、プロとしてやっていた、そういう人がコーチをやってほしかった」と、現役代表選手による監督批判ともとられかねない異例の発言をしたのである。

「パリ五輪で八村は、試合前に入場する際にホーバス監督とのハイタッチを避けるように見えたこともあるほど、2人の『不仲』は誰もが知ることでした。今回の発言では、監督もさることながら、JBAと八村のコミュケーション不足が浮き彫りになった形ですね」(夕刊紙記者)

 それにしても、八村の協会に対する「お金が目的」発言にはどんな意味があったのか。

「JBAはかつて、2006年のW杯(当時は世界選手権)を日本で開催したことで13億円という巨額の赤字を出したことがあります。その責任を巡って協会が分裂してしまい、結果、2つのリーグができてしまった。これに国際連盟が制裁を加えたことから、事態の収拾もあって日本サッカー協会の川淵三郎最高顧問が改革に乗り出し、Bリーグが誕生したという経緯があります。八村の発言の背景には、そんなJBAの『黒歴史』があるのではないでしょうか」(前出・記者)

 八村の発言についてJBAでは「情報を精査中」としか答えていない。一方、「第2次ホーバス体制」の初戦は、11月21日から始まる2025年のアジア杯(サウジアラビア)の予選(対モンゴル)だ。

 日本代表のトッププレーヤーの発言にJBAや監督がどう応えていくのか、ファンは固唾をのんで見守っている。

(小田龍司)

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