東本願寺「二礼二拍手一礼」で論争勃発「寺と神社の違いもわからないとは…」

 インバウンドを中心に多くの観光客が訪れる京都・東本願寺で、「二礼二拍手一礼」で参拝する学生グループが目撃され、SNS上で「参拝作法」に関する論争が勃発している。

 ことの発端はあるXユーザーのこんなポストだった。

「東本願寺にて15人くらいの中学生くらいの子供達と引率の大人が1人…全員で本堂に向かって『二礼二拍手一礼』 引率の大人よ…神社仏閣の常識くらいちゃんと勉強してから行けよ…残念な大人に引率された子ども達が笑い者になって可哀想だわ…」

 二礼二拍手一礼は神社での参拝の作法といわれているが、起源については諸説があり、「神社祭式」という書物に「再拝拍手(さいはい・はくしゅ)」と書かれていたのが始まりとも言われている。もっとも、もともとは両掌を顔や胸の前で合わせて拝む合掌だったことから、今でも合掌して参拝する人は少なくなく、SNS上では「形式的な礼儀よりも気持ちの問題」「寺と神社の違いもわからないとは呆れる」などと、作法についての理解が大きく分かれている。宗教問題に詳しいライターが語る。

「日本人の多くは雑多な信仰を持っており、子どもが生まれたときは神社にお参りするのに、お葬式はお寺で行うという人が多数派です。もともと神と仏を調和させ同一視する『神仏習合』という思想があり、参拝の作法に口うるさい人にも思い当たる節があるのではないでしょうか。また『二礼四拍手一礼』を正式な参拝方法とする出雲大社のようなところもあり、ことさら目くじらを立てる必要はないと思いますね」

 神社仏閣へのお参りは日本人にとってあまりにも身近な事柄だけに、大きな注目が集まってしまったようだ。

(ケン高田)

ライフ