ドーナツ効果に立ち食い店舗の大行列も…「丸亀製麺」株価好調のワケ

 円安による原材料コストや光熱費の高騰を受けて、逆風が吹き荒れる日本の外食産業。今年4月には「松屋」や「すき家」といった牛丼チェーンが値上げに踏み切った。

「牛丼に欠かせない輸入牛肉の価格はこの1年で3割ほど上昇し、そこに追い打ちをかけているのがコメの価格上昇。インバウンドによる需要拡大や猛暑の影響もあり、コメ不足は来年以降も続く見込み。丼メニューを主体とする店舗は厳しい経営を強いられそうです」(フードジャーナリスト)

 そんな中で、注目を集めているのが「国産小麦100%」の讃岐うどんを提供している丸亀製麺。6月25日からは“うどんから生まれたドーナツ”と銘打って、「丸亀うどーなつ」を全国発売。ネット上では実食したSNSユーザーが《もっちもちで超うまい》《ふわもちの新食感がクセになる》などと絶賛する声があがっている。一方、丸亀製麺を運営するトリドールホールディングス(以下、トリドール)の株価をチェックすると、前日24日から急上昇。22日までは3500円台で推移していたのが、24日には3600円台、25日には一時3700円台に達した。もっとも、株価上昇の要因は“ドーナツ効果”だけではないようで…。

「23日にはTBS系情報バラエティー『坂上&指原のつぶれない店』が丸亀製麺を大特集。スタジオでは出演者が新商品のドーナツを食べて『モチモチ』『うまい』と大絶賛していましたが、驚かされたのはトリドールが運営する『丸亀製麺』以外の別業態の店舗。今年4月に東京・高円寺にオープンさせたのは『いぶきうどん』。店舗数はまだ数えるほどですが、グループ初の立ち食いうどん店と知られ、お昼時にはどこも行列ができる盛況ぶり。なお、『いぶきうどん』はトリドールの公式サイトでも紹介されていないため、この番組で初めて“丸亀系列”であることを知った視聴者も多いのでは…。続いて紹介したのが焼きそば専門店の『長田本庄軒』。関西を中心に6店舗を展開し、1日300人が来店する人気店もあるとか。他にもコッペパンサンドの専門店、香港発祥の麻辣ヌードルなど、さまざまな業態の店を手掛け、どれも将来性が見込める店ばかり。本家の丸亀製麺も海外進出を成功させ、イギリスやハワイ、カナダで大行列ができているそうですから、円安のダメージも受けにくいという点も好材料と言えます」(メディア誌ライター)

 テレビ効果はいつまで続くのか。「丸亀うどーなつ」の売れ行きと株式チャートから目が離せそうにない。

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