日進月歩の進化を続ける自動車業界。ハンズオフ走行が可能な「自動運転レベル3」を世界で初めて搭載したのが、ホンダが2021に発売した「レジェンド」だ。
ところがその一方で、自慢の安全運転支援システム「ホンダセンシング」が、ラーメンチェーン「天下一品」の企業ロゴを「車両進入禁止」の道路標識と誤認してしまう事例も発生しているという。
自動車ジャーナリストが語る。
「ホンダセンシングの安全運転システムには『標識認識機能』が備わっており、カメラが読み取った標識をディスプレイに表示してくれるのですが、天一のロゴは、赤丸に白抜きで『一』と描かれており、これが進入禁止の標識に酷似しているため、誤認識してしまうようです。標識認識機能はトヨタや日産などにも搭載されている車がありますが、天一の報告があるのはホンダ車ばかり。大きな支障はありませんが、天一に入ろうとするとセンサーが検知して『進入禁止』のアイコンが点灯することがあり、初めての人はかなり驚くでしょうね」
一方、最近になって新たに発覚したのは、日産車の誤認識問題だ。
「100円ショップ『セリア』のロゴは茶色の丸の中に『100』と記されているのですが、これを日産車が『車両制限速度標識』の100kmと誤認識してしまう事例がSNS上で複数報告されています。今のところ事故に繋がってはいませんが、明らかに色も異なっており、さすがにこのレベルを間違うようでは心配になってきます」(前出・自動車ジャーナリスト)
専門家からはより高度な識別システムの必要性が指摘されているが、今後は単に標識を読み取らせるだけでなく、電波を送受信するなどの技術的解決が求められるだろう。
(ケン高田)