小林製薬「紅麹サプリ」先の見えない回収騒動に投資家が悲鳴!

 小林製薬は3月26日、同社の「紅麹」のサプリメントを摂取したとみられる一人が2月、腎疾患で入院中に亡くなっていたことを発表した。因果関係の調査はこれからだが、死亡した人は2021年4月~24年2月にサプリを購入していたという。

 この騒動を巡っては22日、同社が紅麹原料が入った機能性表示食品の「紅麹コレステヘルプ」を摂取した13人から腎疾患などの症状が確認されたとして、商品の自主回収を発表。25日には健康被害の報告が33人に拡大したと報告し、13人に加えて新たに入院患者20人が判明。26日には同社の問い合わせ窓口に、入院したとの連絡が新たに50人から入っていると伝えられている。

 同社によると、問題となった紅麹原料の約8割を食品メーカーや飲料メーカーなど52社に提供。宝酒造や紀文食品などでも対象商品を自主回収すると発表し、影響がどこまで拡大するかいまだ見通せない状況だ。

 麹とは、米などの穀物に麹菌を加えて繁殖させたもので、発酵食品には欠かせない。同社の説明によると、紅麹は米などを紅麹菌で発酵させたものだという。一部の製品ロットにおいて、通常なら見られない物質が検出されたといい、それが原因ではないかと疑われている。ただ、その物質を特定するまでには至っていない。

 紅麹原料をめぐる一連の問題が影響し、小林製薬の株価は3月25日、値幅制限いっぱいのストップ安をつけ、前週末の終値と比較し、1000円安の5056円で年初来安値を更新した。たまらないのは同社の株主だ。

「ネット上の株式掲示板では、同社の株を保有する投資家から《普通に誰も買わなくなるよね》《3年は塩漬けだな》《全てが不透明な状況で上がる要素が全くない》といった書き込みが見られ、悲観ムード一色。どこかで反転して上昇すると見ている投資家もいますが、乱高下が考えられる今、手を出しづらい状況ですね」(マネー誌ライター)

 あらゆる食品メーカーにも影響を及ぼしそうだ。

(石田英明)

※写真はイメージ

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