自民党ドス黒議員「株価4万円 」ストップ高ボロ儲けしていた(1)政治家ではなく“投資家”

 日経平均株価の〝限界突破〟に沸く日本列島。だが、投資とは縁もゆかりもない大多数の国民にとっては、ただの幻影に過ぎない。一方、永田町に目を転じれば、株価高騰でウハウハ状態のセンセイがわんさか‥‥。自民党全議員の保有株式をくまなくチェックして、資産億超えの「株式長者」をあぶり出した!

 去る3月4日、史上初めて日経平均株価が4万円の大台に乗った。同日に開かれた参院予算委員会において岸田文雄総理(66)は、

「日本経済の変革の足音に、マーケット関係者がポジティブな評価を行っていることは力強く思う」

 と、現政権において経済政策に力を入れてきたことを強調した。

 内閣の支持率低調が続く中、常々、「止まらない物価高も好景気による賃上げで相殺する」と言い続けてきた岸田総理。経済政策の手腕は確かだった、と言いたかったのだろう。しかし、12年の初当選から自民党で衆議院議員を3期務め、現在は政治団体「赤字黒字」代表の安藤裕氏はこう話す。

「言うまでもなく、株高は総理の功績ではありません。中国の経済がガタガタになって、そこに投入されるはずの資金が日本に流れてきているだけのこと。儲かっているのは円安に乗じて日本株を購入している外国資本ばかりで、岸田政権の売国政策が実を結んだと言っていいでしょう。上場している大企業は賃上げができても、中小企業はインボイス制度の導入で実質的な消費増税となり、賃上げどころではありません。庶民の生活は苦しくなる一方で、4万円台という歴史的な株高も、支持率の回復につながるとは思えません」

 結局のところ、岸田総理の発言は国民感情を逆撫でするだけで、株も持たない普通の一般市民の負担は増え続けるばかりなのだ。

 国民のためでなければ、何のための好景気なのか。答えは「自分たち政治家のため」なのかもしれない。

 いったい自民党議員はどれだけの株式を保有しているのか。自民党に所属する衆参全議員の「資産等報告書」を調査したところ、昨年10月の補選で当選し、まだ報告書未提出の金子容三議員(41)を除いた375人のうち、約41%にあたる154人が、何らかの株式を保有していたのだ。 政治アナリストの伊藤惇夫氏がこう指摘する。

「地元企業や支援者とのお付き合いで株を取得するケースもあり、ひとくくりに投資目的とは言えませんが、庶民の感覚からすれば党の議員の4割が株式を保有しているというのは多い気がします。とはいえ議員を辞めれば報告義務もなく、売るのも自由ですから、結果的に株高の恩恵を受けることにはなります」

 衆参両院とも、選挙当選後には土地や車、ゴルフ会員権など所有する資産の報告が義務づけられ、情報公開されている。

 もちろん、持たざる議員もいる。岸田総理や菅義偉前総理(75)、高市早苗経済安保相(63)、萩生田光一前政調会長(60)、小泉進次郎元環境相(42)をはじめ、何かと話題の尽きない自見英子万博相(48)、杉田水脈議員(56)、「エッフェル姉さん」こと松川るい議員(53)、「赤ベンツ不倫」の広瀬めぐみ議員(57)ら有名女性議員の報告書には持ち株の記載がなかった。

 一方、濡れ手で粟とばかりに高笑いが止まらないであろう、大企業の株を数十万株以上保有する、「もはや政治家ではなく投資家では?」と言いたくなる議員も少なくなかった。

 安藤氏が解説する。

「私が12年に初当選した際には、不動産や車、有価証券など事細かに資産を記入した覚えがあります。預貯金に関してだけ報告義務がなく、『資産ゼロ』と報告する議員も少なくはありませんでしたが、実際には貯蓄や資産を切り崩して政治活動に充てている議員はたくさんいます。私もその一人で、パーティー券はなかなか売れないし、株なんて持てる余裕もありませんでしたよ(苦笑)」

 当たり前のことだが、議員の中にも貧富の格差はあるということだ。

(つづく)

ライフ