9月8~9日に関東地方や東北地方を直撃した台風15号。千葉県では11日になっても46万軒以上でいまだに停電が続いており、停電が原因と思われる熱中症被害が39人以上にも及んでいる。しかも佐倉市や東金市など6市町では断水も続いており、千葉県は自衛隊に災害派遣を要請。森田健作知事が「今回の台風は千葉県直撃という大変な状況だ」と語るなど、台風15号の残した爪痕は相当な大きさとなっている状況だ。
このように「大災害」と呼ぶべき状況にもかかわらず、11日朝の情報番組は、あまり千葉県の惨状を伝えていないという。これには地元の千葉県民はもちろん、ネット上でも各テレビ局に対する批判が続出。そんな各局の対応についてテレビ誌ライターが指摘する。
「11日の情報番組ではほとんどのテレビ局が、安倍首相が実施した内閣改造をトップで報道。当選4回の小泉進次郎衆院議員が環境相として初入閣を果たしたことに世間の注目が集まっています。また、河野太郎前外相が防衛相に就任するなど“韓国シフト”にも関心が高まり、情報番組は内閣改造と韓国問題でほぼ塗りつぶされた感じ。千葉県の台風被害については、各地の話題コーナーで伝えるという軽い扱いに留まっていました」
そんなテレビ局の姿勢に対し、ネット上では《千葉の被害は現在進行形なんだぞ!》《いま国民が苦しんでいるのになぜ韓国問題!?》といった非難が続出。視聴率狙いの番組作りがやり玉に挙げられている状態だ。
そのなかで唯一、けっこうな時間を割いて千葉県の被災状況を報じていたテレビ局があった。それは停電や断水の状況を淡々とテロップで流していたNHKではない。テレビ誌ライターが続ける。
「TBSの『ビビット』です。スタジオではMCのTOKIO・国分太一と真矢ミキ、そして“ニュース雑学おじさん”の堀尾正明が心配そうな表情で、現地の様子を詳しく伝えていました。TBSは自民党政権に対する否定的な姿勢で知られていますので、安倍首相が話題になる内閣改造はあまり報じたくなかったのかもしれません」
ともあれネット民からは「こんな番組ばかりだからみんなYouTubeを観るようになる」との声が出ていたことを、テレビ局はしかと受け止めるべきではないだろうか。