横浜「繁華街刺殺事件」で浮上したタイ人不良集団 親分なき組織の驚愕の凶暴実態

 神奈川県横浜市の繁華街でグループ同士の揉め事が発生し、刺殺事件にまで発展した。被害者を含む日本人グループは暴力団との関係もささやかれる。その一方で、加害者は近隣に多く見られる単なるタイ料理店の従業員だったというのだが‥‥。

 11月2日夜、飲食店の前に置かれた自転車を邪魔だとして、日本人男性が蹴り倒したことから、タイ人の店員たちとトラブルになった。当初は多勢に無勢とばかりに、日本人グループが優位に立っていた。「ここは日本なんだ」「わかったか」という怒声だけでなく、繰り出す拳と蹴りにもケンカ慣れした様子があり、暴力でタイ人を圧倒したのだ。

 だが、店員の1人であるクワンキサロート・ルンロー容疑者(53)が刃物を持ちだして反撃。3人が刺され、そのうちの1人、42歳の男性が死亡した。死因は胸や背中を何度も刺された出血性ショックだった。

 躊躇なく次々と刃物で凶行に及んだ手口は、とても素人とは思えない。アジア人犯罪に詳しい、暴力団関係者のⅩ氏が話す。

「もちろん真面目に働くために来日するタイ人は多いが、中国人やベトナム人など他のアジア人のご多分に漏れず、タイ人のワルもいっぱい日本に入り込んでいるよ。今回の容疑者の素性まではわからないが、そういうヤツらは表向き料理屋やマッサージ店なんかの商売をやっているよな」

 微笑みの国と呼ばれるタイである。一見、人のよさそうなタイ人だが、違法薬物売買や管理売春に手を染めているケースがあるというのだ。

「ガンジャやコカにシャブ、何でも売りさばいてるな。シャブはタイじゃ製造の取り締まりが厳しいから、ミャンマーから国境を越えて入ってきたのを日本に持ち込んでる。“タイ式マッサージ”のウラサービスは、スタイルのいい浅黒い女を観光ビザで来日させて、2週間働かせては交代させる管理売春。これは全国に蔓延してる」(Ⅹ氏)

 タイ人が集まる地域は他のアジア人たちと重なる。惨劇が起きた横浜しかり、都内では大久保や高田馬場、群馬の太田など広いエリアに及ぶ。ただし、タイ人アウトローのネットワークは、他のアジア圏マフィアとは決定的な違いがあるという。

「タイ人のワルは、マフィアのようなピラミッド型じゃないんだよな。自国の繁華街パッポンなんかの不良グループで、20~30人の集まりがいっぱいあるけど、グループ同士の横の連携がない。仲間を助ける同胞意識は強いけど、1人のボスがいて残りは舎弟というグループだから犯罪組織という意識が低いんだ。そうした半ば素人連中が来日して悪さを始めても、日本のヤクザは手を組もうと思わないだろうな。中国人やベトナム人なら親分と話をつければ安全に取引できるけど、口の軽いのがどこにいるかもわからないし」(Ⅹ氏)

 それゆえ余計に一般人と見分けがつかないのが「タイ人アウトロー」というわけだ。仲間の危機には一転、ケンカの手練れ相手に包丁まで持ち出すが、

「3年前にベトナム人が盗んだ豚をさばいて捕まった事件があったよな。あいつらは人間に対しても一緒で、脇やあばらの間を狙って、背中まで包丁が突き抜ける刺し方を知ってる。タイだって田舎のほうでは豚ぐらいさばくだろう。人間の刺し方を知っているタイ人はごまんといる」(Ⅹ氏)

 知らぬ間にタイ人の不良たちに、日本が喰いものにされないように─。

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