韓国の親善試合を欠場したC・ロナウド、日本のイベントもドタキャンしていた

 世界最高のフットボーラー、クリスティアーノ・ロナウドはなぜ、韓国での親善試合に出場しなかったのか。ファンを虜にするカリスマプレーヤーによる“欠場騒動”が韓国人の怒りを増大させ続けている。

 騒動の発端となったのは、7月26日に開催されたロナウド擁するユヴェントスと韓国Kリーグ選抜による親善試合だ。この一戦のチケットを“ロナウド目当て”で購入した韓国人サポーターにとって、1分たりともピッチに登場することなく終始ベンチで過ごした姿は憎悪の対象となり、“契約違反”だとして訴訟の可能性すら浮上。韓国メディアが報じるところによれば、今回の親善試合を主催したイベンターとユヴェントスの間には、「ロナウドを最低でも45分間は出場させる」という契約条項が存在し、全くプレーせずに終わったロナウドの行為は契約違反に相当するという。

 また、試合終了後のユヴェントス指揮官マウリツィオ・サッリによる「C・ロナウドのプレーを見たいならイタリアに来れば良い。私が旅費を払うよ」というコメントも、韓国人サポーターの怒りを逆撫でするものだったとして大炎上。一連のユヴェントス側の振る舞いが契約内容と異なるだけでなく、著しく韓国側へのリスペクトに欠けたものだったとして、ロナウド自身のSNSも大荒れする事態となった。そもそもなぜロナウドは韓国での親善試合に出場しなかったのか。

「まず、アジアに比べてヨーロッパでは契約に対する概念がやや異なり、とりわけサッカー界では“契約を結ぶのは契約解除金を得る為”という考え方が横行しているように思います。実は日本でも昨年の夏にロナウドの来日イベントが予定されていましたが、ドタキャンされてしまいました。当時はロナウドがレアル・マドリードを退団し、ユヴェントスへ新加入したばかりでしたから、日本でのPRイベントに参加するよりも新チームでの初トレーニングや合宿日程を優先させたんです。サッカー選手にとって最も欠員したくない時期というのがシーズン開幕前のプレシーズン合宿。この重要な時期を怪我やイベントで欠場してしまえば、そのシーズンを丸々棒に振ってしまう可能性もある。今回の韓国での試合もユヴェントス側はロナウドに筋肉疲労があったと明かしており、たとえ契約違反になろうが、新シーズンに向けたロナウドの体調を万全にすることを選んだのでしょう」(スポーツライター)

 とはいえ、仮に韓国側が主張する“45分間出場契約”が実在するのであれば、ユヴェントス側は相応の補填や契約違反の然るべきペナルティーを受けるべきだろう。

 自身の45分間の出場を“義務化”されていたとすれば、ロナウドにとっては災難ではあるが、ユヴェントスが推進するアジアマーケティングの戦略は完全に出ばなを挫かれたといえるかもしれない。

(木村慎吾)

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