【北朝鮮】「体重140キロ」リバウンド金正恩が抱える“命を脅かす疾患”

 韓国の情報機関「国家情報院」が「北朝鮮の金正恩総書記は体重が140キロの超高度肥満状態にあり、心臓疾患高リスク群に相当する」との報告書を発表したのは7月29日。それよれば、北朝鮮当局はこれまで正恩氏に対し、高血圧や糖尿病関連の薬を処方してきたものの、効果が見られないことから別の薬剤を海外で調達するよう、関係各位に通達したというのである。北朝鮮ウォッチャーが説明する。

「今回、報告を行ったのは情報委員会の与野党幹事である『国民の力』の李成権議員と、『共に民主党』の林善源議員。現在、正恩氏の体格指数(BMI)は、正常値の25をはるかに超え40中盤に達していると推察され、糖尿病や高血圧の症状が出ていることは確実。原因は酒やストレスとみられるものの、30代から症状が悪化しているとすると家系に心臓血管系の疾患があることも考えられることから、情報院では引き続き綿密な追跡調査を行っていくとしています」

 確かに、正恩氏は父・金正日氏の後継者として表舞台に登場した2009年ごろには、ふっくらとしてはいたが、体重は約90kgそこそこではないかとみられていた。それが徐々に増え始め、情報院の分析によれば19年にはピークの140キロまで達していたという。

「ところが21年9月の建国73周年の軍事パレードの際には、頬と首の肉が落ちアゴのラインがシャープになったことで、逆に一部で重病説が流れたこともありました。ただこの時は、運動や食事療法によって20キロ程度のダイエットした、というのが真相だったようで、ここ数年ですっかりリバウンド。再び140キロ体型に戻ったのではないかと言われています」(同)

 正恩氏は連日強い酒を口にするとされ、自律神経の乱れからくるのか慢性的な不眠症に悩まされているとも伝えられる。

「以前、朝鮮労働党の機関紙『労働新聞』が、『偉大な親の一日』という記事を掲載。正恩氏が東海岸の水産事業所を視察した際、深夜2時にもかかわらず関係者から熱心に漁獲量報告を受けていたとの逸話を紹介している。そこでは正恩氏が幹部に打ち明けた話として《一般的に“今日”といえば1日の仕事が終わる夕方までか24時までと考えるが、(私は)翌朝5時までと考えて仕事を行っている。幼い時から徹夜で働くことが習慣になり、一つの生活法則として体質化された》と紹介し、『休息も後回しにして身をささげる偉大な親』などと大々的に報じたことがありました。他にも正恩氏が人民のために不眠不休で働いているとの記事が掲載されていることから、偶像化というより実際に極端な夜型体質、もしくは不眠症の可能性はあります」(同)

 そんな不規則な生活が体重増に繋がっているのか。とはいえ、糖尿病等の薬を海外で探すよう命じたとなれば、もはや国内の処方箋では対処できないほど症状が進行しているということ。情報院では、娘・ジュエ氏への後継者教育がいよいよ本格派してきたと見ているが、“独裁者”にとって政権の安定を脅かす最大リスクは健康状態。その意味では、ジュエ氏の動向こそが今後の金正恩体制を見極める大きなカギとなりそうだ。

(灯倫太郎)

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