卵の価格高騰が叫ばれる中、スーパーや小売店では買い控えの動きが見られ、食卓では徐々に存在感が薄まりつつある。庶民のオカズと知られた卵焼きも、そのうち高級料理の部類に入るかもしれない。
4月19日放送のフジテレビ系情報番組「めざまし8」では、「エッグショック 吉野家も10円値上げ」というテロップのもと、17日から大手牛丼チェーンの吉野家が、「玉子」「半熟玉子」など、卵を使ったメニューを10円値上げしたニュースを紹介。東京農業大学の元教授で、養鶏業界に詳しい信岡誠治氏は「世界的な穀物の高騰」「鳥インフルエンザ」を理由にあげて、卵の価格高騰について「数年単位で続かざるを得ないです」とコメントした。
その後、「ある写真がTwitterに投稿されました」というアナウンスとともに映し出されたのは、とある弁当。一般のSNSユーザーがアップしたもので、卵の値上げにからめて“ツラすぎ弁当”と題された写真には、色のついたご飯にウインナー、ほうれん草といったオカズが盛りつけられていた。弁当の定番ともいえる卵焼きがないことを説明し、この弁当を投稿した人物のこんなコメントを紹介した。
「いつもだったら卵焼きとか入れてるんですけど、スーパーに行った時に価格にびっくりしてしまって、しばらくは他のもので代用しようかなと思ってます」
この放送内容に、視聴者からは多くのツッコミの声があがったという。メディア誌ライターが振り返る。
「番組で紹介した“ツラすぎ弁当”は、卵焼きがなくても、とても美味しそうにできていました。そんな中で、視聴者の関心を引いたのは、弁当箱におさまったサクランボ。見たところ、5粒は入っていたでしょうか。近年はサクランボも値上がりしていて、庶民にとっては高級フルーツ。番組では卵10個入りのパックの平均小売価格が297円と紹介していましたが、卵焼きを作るのにかかるコストはせいぜい60円程度。そのためSNSでは《卵よりもサクランボのほうがはるかに高そう》《サクランボを我慢すれば卵焼きは余裕では?》といったコメントとともに、《農家さんからのもらいものか》《サクランボ農家の方かしら?》と推理する声まで見られました」
SNSに弁当の写真をアップする時は、オカズ選びに何かと頭を悩ませそう!?