家のガラクタ「高値」で売れる全リスト(2)ホームレス的思考で儲ける

 長い間、放置している物置があったら、ぜひのぞいてみてほしい品々もある。

「高級な傘やトランクケースをブランド品と知らずに眠らせている人は多いかもしれません。処分に困る自転車も、高級ホイールが使われているマウンテンバイクなどは買取価格がまったく違ってきますし、値段がつかない古い自転車でも、金属くずとしての価値があるので、スクラップ処分場などに持ち込むのもひとつの選択肢でしょう」(森園氏)

 まさに目から鱗。不用品を金に換えるルートはオークションサイトやリサイクル業者に限らないのだ。昨年2月にロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降、金属資源の価格が高騰しているのは周知の通り。

「ホームレス消滅」(幻冬舎新書)などの著書で知られるルポライターの村田らむ氏が言う。

「ホームレスの収入源と言えば廃品回収。せっせとアルミ缶を集めては金属くず回収業者に持ち込んで、生活費を稼いでいます。そんな彼らにとって、タイヤのホイールはまさにアルミの塊。ひとつ5キロとして4つそろっていれば20キロ。買取価格が1キロ200円として4000円の〝臨時収入〟になります」

 アルミだけではない。なんと、金や銀が〝発掘〟されることも。

「ゴミ屋敷清掃や特殊清掃の現場で、宝の山と言えるのがタンス。ろくに引き出しの中を調べずに、そのまま業者に廃棄を依頼するケースは珍しくありません。ある業者に聞いた話では、何かの記念で受け取った金杯や銀杯、さらには金歯が出てきたこともあるそうです」(村田氏)

 金の相場はリスク資産だけあって上昇の一途で、現在は1グラム8000円以上で取引されている。金歯ひとつの重さは2〜5グラムと言われるので、運がよければ4万円以上の収入になる。

「昔のファミコンやプレイステーションといったゲーム機を処分するにしても、自治体によっては回収費用がかかりますが、業者に持ち込めば、0円でも引き取ってくれますし、ホームレス的な思考では50円でも値がつけばラッキー。捨てられていたニコン製のフィルムカメラが数万円で売れたという夢のある話も聞いたことがあります」(村田氏)

 どうせ売れっこない、そんな決めつけで儲けるチャンスを逃す手はない。最後に、森園氏からこんな耳より情報が‥‥。

「昔のラジカセやスピーカー、アンプなどの音響機材もガラクタからお宝に化けることがあります。中でも注目はギター。メーカーに関係なく、『練習用』としての需要があるため、見た目はボロボロで、たとえ弦が切れていても値がつきます。メーカーで言えば、ギブソン、フェンダー、フェルナンデスが人気ですね。数年前に遺品整理で出てきたのはキズや汚れのあるギブソン製のギター。30年以上前のお品物でしたが、10万円で買い取らせていただきました」

 地球にも懐にも優しいお宝発見術。引っ越しや実家じまいの際には、ぜひ試してほしい。

マネー