40歳を過ぎて芸人となり、08年に大ブレイクしたエド・はるみ。ブームが過ぎるとテレビで見る機会は減ったが、実は慶応義塾大学大学院で研究員として活動している。引退したわけではないものの、芸人として異色の道を歩む彼女は、あるゲームの開発に携わっていた。
それは、「シンパサイズ」という名称のカードゲーム。同商品は、吉本興業と販売元の全国13店舗を展開するボードゲームカフェ「JELLY JELLY CAFE」の「共同開発」ということになっているが、実際は、エドが原作とゲームデザインを手がけた企画・開発の中心人物だったという。
このゲームは進行役1名を含む3人以上で行い、お題となる指令カードをもとに評価カードの獲得を競い合う新感覚のボードゲーム。商品公式サイトでは、彼女が事務所の先輩であるFUJIWARAの2人と楽しそうにゲームを行う様子が紹介されている。
そしてなんと、この「シンパサイズ」が、先日発表された「グッドデザイン賞2022」を受賞したのである。「グッドデザイン賞」とは、主催する日本デザイン振興会によれば、単にものの美しさを競うのではなく、産業の発展とくらしの質を高めるデザインを、身の回りのさまざまな分野から見いだし、広く伝えることを目的としているという。
「ゲームは、お題に従って指定された登場人物になりきるのですが、いかに相手のことを察して会話ができるかが評価カード獲得のカギを握ります。当然、会話をしなければ成立しないのでコミュニケーション力はもちろん、洞察力もゲームを通じて養うことができ、その辺りがグッドデザイン賞受賞の決め手のひとつになったようです」(ゲーム誌編集者)
同じ時期には「キングオブコント」の決勝も開催されたが、有吉弘行は自身のラジオ番組「有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER」(JFN)で、歴代最高得点で優勝したビスケットブラザーズには触れず、「そんなことよりもエド・はるみがゼロから企画開発・ゲームデザインを行った『シンパサイズ』が2022年度のグッドデザイン賞を受賞! すごくない?」と絶賛していたほどだ。
芸能界では96年に稲川淳二が自身の手掛けた車止めで同賞を受賞している。もっとも、彼は芸能界入りの前から工業デザイナーとして活動していた。今回はそれに続く偉業であり、彼女にとっても自身の持ちネタ「グ〜!」と言える最高の結果となったようだ。