6月29日、愛知県は西尾市の養豚場で家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の感染が確認されたと発表し、県は関連施設を含めた計7施設の豚約7500頭の殺処分を開始した。
「昨年9月に岐阜県岐阜市の養豚場で発生が確認されて以降、岐阜・愛知を中心に豚コレラの感染が拡大しています。しかも現在、中国を中心とする海外では、日本で広まっている豚コレラとは異なる『アフリカ豚コレラ』が蔓延していて、世界的に豚肉の価格が高騰しているのです」(経済ジャーナリスト)
豚コレラの発生当初、日本の豚肉価格に与える影響は限定的と思われていたが、国内感染の拡大と海外の状況の悪化により、今後は価格のさらなる上昇が予想されており、飲食店からは悲鳴の声が聞こえてくる。
特にSNS上ではラーメン店を営む店主たちから《ラーメンに限った話ではないかもしれないが、牛や鶏よりも豚肉高騰がラーメン屋に与える影響はデカすぎる》《消費増税のタイミングでガッツリ値上げする店も多いんじゃないか》など戦々恐々とした意見がつぶやかれており、すでに値上げを報告するラーメン店も見られるほどだ。
「ガッツリ系ラーメンを提供する店は大きな豚チャーシューがウリですし、スープも大量の豚で出汁を取っていることから、豚肉価格が高騰すれば当然、その影響をモロに食う。例えば、いわゆる“二郎系”の店は大盛りかつ値段が安いのが魅力ですが、豚コレラの影響が続けば、1000円以上にまで値上げせざるをえない店が続々現れる恐れもあり、客離れも心配されます」(ラーメン評論家)
我々庶民としては、なんとか堪えて欲しいものだ。
(小林洋三)