北海道日本ハムファイターズのコディ・ポンセ(28)が、8月27日の福岡ソフトバンク戦でノーヒットノーランを達成した。NPB史上87人目、日本ハム球団では1995年の西崎幸広以来27年ぶり、6人目。外国人投手としては初の快挙となった。
「今季はロッテ・佐々木朗希が完全試合を達成するなど、年間5度のノーヒットノーランが記録されました。5人は1940年以来、82年ぶりで最多タイ。『投高打低』の現象に関する調査研究も始まりました」(ベテラン記者)
研究結果が楽しみだが、現段階でこれだけは断言できる。BIGBOSS新庄剛志監督には先見の明がある。そして、ポンセも「日本球界に慣れた」ということだ。
「ポンセは19年のプレミア12大会に米国代表として出場し、日本での野球環境が気に入り、日本ハムとの契約が決まったとき、大変喜んでいました」(前出・同)
“親日家”とも言えるが、日本流に戸惑ったときもあった。
快挙達成から遡ること1カ月、
「球審が要求し、ポンセが手に持っていたボールを返しました。ポンセは新しいボールを素手でこねて馴染ませ、その後、
ポンセは両手を広げ、WHYのポ―ズを見せた。
ルールでは「利き手の指が口、唇に触れる」のは禁止事項。球審は指に息を吹きかけた行為が紛らわしいとし、ボール交換を命じたのだ。
「初回の攻守交代の際、球審はポンセに注意していました。ポンセは『この程度で?』と高を括っていたようです。日本では厳しくチェックされるということを知らされました」(球界関係者)
新庄監督はポンセとの契約が合意したとき、
「ストレートの伸びだけ見れば、慣れてきたら捉えられちゃうだろうけど、カットボールを意識して投げたら、メチャクチャ武器になる」
と、評していた。
ノーヒットノーランを達成した日のピッチングスタイルである。チーム事情で次回登板はリリーフとなるが、日本ハム打線は今季、ノーヒットノーランを2度も喫している。ポンセがその溜飲を下げてくれたようだ。
(スポーツライター・飯山満)