「田尾監督ともすごい思い出があって…」
こう述懐するのは、セ・パ4球団を渡り歩いた山﨑武司氏。8月8日に東海テレビのYouTubeチャンネル〈【東海テレビ公式】ドラHOTpress〉に出演してのことだった。
山﨑氏は中日時代の96年と、楽天時代の07年に本塁打王を獲得している。セ・パ両リーグで本塁打に輝いたのは史上3人目の快挙であり、11年もの歳月を経て2度目のタイトル獲得はまさに偉業だった。
その山﨑氏が快挙達成の理由として挙げたのが、05年に楽天の初代監督に就任した、田尾安志氏の影響だった。
山﨑氏が、オリックスから楽天に移籍したのも05年で、
「田尾さんにずっとダメ出しされましたね、バッティング…。『武司、それじゃ絶対打てないよ!』って」
しかし田尾監督の「引きつけて打て!」の指導にしっくりいかず、不信感まる出しでこう反発したという。
「監督のやり方してたら前に飛ばないっスよ!」
「いいから、それやりな!」
こんなやり取りがありながら、シーズンも6月を過ぎたころ、ある打席で気づいたことがあったという。
「差し込まれたと思って、『あ〜、ダメだ〜』と思って、振るっていうイメージよりも回すイメージで打ったんですよ。そうしたらホームラン打てたんですよ。それが分岐点になったんですね。やぶれかぶれなことやって、ちょっと感じを掴んだっていうのがあるんで
すけど…」
その2年後、山﨑氏はセ・パ両リーグでの本塁打王を達成することになる。
「ボクは田尾さんに足向けて寝られない」
山﨑氏がそう語ったのも当然かもしれない。
(所ひで/ユーチューブライター)