このところ、「男塾コラボ丼騒動」「生娘シャブ漬け戦略発言」など炎上続きの「吉野家」だが、新たに5月6日には、同社への採用説明会に予約した大学生に対し、勝手に外国籍であると決めつけて参加を拒否していたことを認め、謝罪した。これだけ多くの不祥事が相次ぐ中、なぜ吉野家は企業体質を改善させることができないのだろうか?
「吉野家が採用説明会への参加を一方的に拒否していたことが発覚したのは、学生本人によるツイートからでした。5月3日、学生は自身のTwitterに『ハーフだけど日本生まれ日本育ち国籍日本なのに向こうから急に説明会キャンセルされたんだけど!』と投稿。このツイートには吉野家の採用担当から送られたとみられるメールのスクショが添付されていて、そこには『外国籍の方の就労ビザの取得が大変難しく、ご縁があり内定となりました場合も、ご入社できない可能性がございます』と外国籍であることを理由に予約をキャンセルする旨が記されていたのです」(社会部記者)
なお、吉野家がこの学生を外国籍と判断したのは、名前をカタカナで表記していたことが原因とみられ、それだけでもひどい差別ではあるが、そもそも吉野家の採用ページには「『ダイバーシティ』をキーワードとし、組織の活性化を目的に、外国籍社員の積極的な登用を続けています」と掲げている。にもかかわらず、外国籍であるという理由で採用説明会にすら参加させないとは…。
吉野家といえば、今年3月に220マイル(最低でも220日、6万6000円以上が必要)を貯めてもえる「お名前入りオリジナル丼」プレゼント企画で、当初は任意も認めていた名前を急きょ実名のみと変更した上で、店名を丼に記載することを確認した人物に対し「どう考えても実名であるとは考えられません」、訴訟をおこすのであれば「弊社弁護士が真摯に対応させていただきます」と高圧的な対応をしたことで炎上。さらに4月には、社会人向けのマーケティング講座で講師として参加した常務取締役企画本部長(当時)が「田舎から出てきた若い女性が、男性におごられて高級な料理の味を知る前に牛丼漬けにする」「生娘をシャブ漬け戦略」と発言して大炎上するなど問題が相次いでいる。
「この短期間にこれだけの問題が起きても、外国籍と一方的に判断して採用説明会への参加拒否をしてしまうのは、吉野家にそうした体質がこびりついているとしか言いようがありません。吉野家というブランドに多くのファンがいることへの慢心と言われても仕方がないでしょう。実際、『男塾コラボ丼騒動』や『生娘シャブ漬け戦略発言』が起きたあとの4月の売上高は前年比111.6%、客数も同107%とまったくと言っていいほど影響がありませんでしたから、なかなか本当の意味での反省というのはできないのではないでしょうか」(経済ジャーナリスト)
しかし、さすがに今年3回目となる不祥事が発覚してからは吉野家不買運動を訴える声も強まっており、このままファンの支持に胡坐をかいているようでは、キツいしっぺ返しをくらうことになるだろう。
(小林洋三)