人里離れた民家を探索する人気バラエティー「ポツンと一軒家」(テレビ朝日系)で決まって流れるのが、その家を空から捉えたダイナミックな航空映像。以前はヘリコプターを飛ばさなければ撮れなかった貴重な映像が、ドローンの活躍で目にする機会が増えたように思います。
そこで今回は「無人航空従事者試験(ドローン検定)」。ドローンを操縦するなら、ぜひ押さえておきたい資格です。というのも、現在、日本国内ではドローンをどこでも自由に飛ばしていいわけではなく、「人口集中地区」の上空などを飛ばす際は、許可や承認が必要。提出書類にこの資格を記載すれば、「私はドローンを安全に運行できる知識の持ち主ですよ」という証明になるわけです。
それでは、実際に例題を見てみましょう。
〈問1〉改正航空法(15年施行)で、「ドローン規制」の対象となるのは機体総重量が、①150グラム以上、②200グラム以上、③250グラム以上、④300グラム以上 のうちどれ?
〈問2〉ドローンの飛行中、自動で離陸ポイント付近に帰還させる機能のことを、①ワンキーバック機能、②ワンキーサバイバー機能、③ワンキーリターン機能、④ワンキーアゲイン機能 のうち何という?
実際の問題はマークシート方式で50問出題され、試験会場は、直近では東京・大阪をはじめ全国41都道府県もの広範囲で実施されました。例題の答えは、〈問1〉が②、〈問2〉が③となっています。
私は3級を持っていますが、合格するためには市販のテキストでしっかり勉強する必要があります。
「ドローンなんてラジコンと同じで、操縦さえできればいいんでしょ?」と思う人もいるかもしれませんが、ドローンの墜落事故などが世間をにぎわせたように、物理、気象に関する知識がなければ安全に操縦することはできませんからね。
ビジネスチャンスは大いにあるでしょう。インプレス総合研究所の試算では、2019年度のドローン市場は1450億円、2024年には5073億円に達すると見込まれています。活用事例を挙げれば、農業における農薬散布、測量、施設の点検・メンテナンス、遭難者の捜索など多岐にわたり、実際、熟練の操縦士の中には副業で稼いでいる人も多くいるようです。
ストックフォトなどで、撮った写真を販売している人の中には、月に80万円を稼ぐ人もいるようですから、ドローンを使った航空写真はまだ珍しく、高値で売れるかもしれません。個人的な話では、資格試験関連の各種書類を郵送するのが面倒なので、将来的にはドローンを自宅から飛ばしてポストに投函できるくらいスキルを磨ければ‥‥と思っています。
今後、ドローンを扱うにはこの検定の合格が必須になり、試験の難易度が急に上がることも考えられるため、今のうちに取得しておいて損はないかもしれません。
(すずき・ひであき)