体力自慢のアスリートも音を上げる「日本一キツい階段」とは?

 普段はエレベーターやエスカレーターを使うことが多く、マンションや職場、駅などでも利用する機会は意外と少ない階段。1~2階程度の移動ならともなく、何フロア分も上り下りすると息切れを起こしたり、自分の体力のなさを痛感した人も少なくないだろう。

 ちなみに国内最長の階段は、熊本県美里町にある『釈迦院御坂遊歩道』でなんと3333段。高低差は約600メートルあり、一般の成人男性が普通に歩いても2時間はかかる。

 ここは熊本市の中心部から車で50分ほどの場所にある799年に創建されたと伝えられる天台宗の寺院。遊歩道が整備されたのは88年と比較的新しいが、地元の新たな名所となり、毎年大勢の参拝客が訪れている。

 あまりの過酷さからスポーツ選手たちにも人気で、今年のシーズン前には巨人の重信慎之介と阪神の山本泰寛が現地で石段ダッシュを敢行。かつては斉藤和巳(元ホークス)や荒木雅博(元中日)といった平成の名選手たちもオフにトレーニングを行っている。

 また、18年には人気グループTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEの岩谷翔吾と鈴木昂秀がネット番組の企画で訪問。ダンサーとしてトップアスリート並みの体力を誇る彼らでさえ、「ライブよりもキツい……」と漏らすほど。それだけに一般人にとってはキツいのは言うまでもない。

 筆者も一度チャレンジしたことがあるが階段ゆえに歩幅を自分で調節できず、通常の登山よりもしんどかった。しかも、やっとのことで階段を上りきっても釈迦院はここからさらに山道を1.1キロも歩かなければならない。

 日頃鍛えていない人だと脚の筋肉痛は避けられず、筆者も次の日は近所のコンビニへ行くのにも一苦労。上からの眺めは最高だったが、再びあの辛さを経験したいとは思わない。

 ただし、車で山の上まで行けるため、ちょっとだけ階段を上り下りして気分だけ味わうことも可能。話のネタにもなるので興味のある方は、コロナが落ち着いたころに足を運んでみてはどうだろうか。

(高島昌俊)

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