たかが鼻毛と侮るなかれ！「エチケットカッター」を展開するパナソニックが5年前に実施した「異性や他人の身だしなみに関して、どのような場面でドン引きするか」という調査によれば、「髪の毛のフケ」（86.3％）や「歯のたべかす」（82.7％）を抑えて、最も多かったのが、なんと「鼻毛が飛び出ていた」（88.0％）だったのだとか。さらにデータによれば、鼻毛が出ている人は「仕事ができなさそう」（50.0％）、「年収が低そう」（32.7％）といったイメージがあるという。
とはいえ、マメに鼻毛のケアをするのは面倒だし、ハサミで鼻の穴を傷つけてしまうこともあるだろう。と、そんな「わかってはいるけれど億劫」という人たちに人気なのが、駅ナカにある鼻毛脱毛専門店「ekibana（エキバナ）」だ。
「ekibanaは2017年10月に都営新宿線の市ヶ谷駅と馬喰横山駅の2カ所でスタートしたのですが、口コミが評判になり、現在は新宿三丁目駅と小川町駅の4駅に店舗を拡張。また、1月4日には大阪メトロ御堂筋線のなかもず駅構内にも『ekibana 3分エチケット』がオープンしました。どの店舗も施術時間は3分程度で、料金は1,000円（税別）。仕事の行き帰りに、ちゃちゃっと利用できることもあり、どの店もなかなかの人気ぶりです」（情報誌ライター）
通常、鼻毛ケアとして使用されるのは「鼻毛バサミ」や「鼻毛カッター」だが、同店では刃物のかわりに「鼻毛ワックス」を使用。専用のスティックに溶けたワックス剤を付け、鼻の穴に入れて、1分ほど待ちワックスが固まったところを一気に引き抜く。すると、ワックス剤にからまった鼻毛が、しっかり抜けるというものだ。
「鼻毛を固めて抜いてしまうわけですからね。最初は『痛いんじゃないか』『鼻血が出ちゃうんじゃないか』と半信半疑でしたが、やってみると全然痛みもなくあっと言う間に終了。鼻毛が伸びて鼻の内側に引っかかる時の、あの嫌なモゾモゾ感がなくなって爽快だし、鼻の穴が見えることで、なんだか顔全体の印象がスッキリしたような気がして、かなりのヤミツキ度。リピーターが多い理由もわかりますね」とは経験者談。
鼻毛ワックスで抜くと、毛根から毛の処理ができるため、生えてくるスピードがハサミや専用カッターと違って遅く、また普段は見えていなかった鼻毛も一気に抜きとれるので事前ケアも可能。さらに、ハサミなどを使用した場合、刃で粘膜を傷つけてしまう恐れがあるが、この方法なら、そんな危険もない。とはいえ、本来鼻毛には垂れてくる鼻水を止める役割があるほか、空気中の菌やほこりを吸い込まないよう防御するフィルター機能がある。それを根こそぎ抜いてしまっていいのだろうか。
「たしかに、鼻毛には鼻水を抑えたり、花粉などの侵入を防ぐフィルターの役目があることは事実。なので、鼻毛がなくなってしまうと、いつもより体内にウイルスが入りやすくなります。そこで、この店では必要な鼻毛まで抜き取らないような専用スティックを設計。結果、目に見える厄介な鼻毛はしっかり抜き取りながらも、身体を守るうえで必要な鼻毛は残してくれる。そこに専門店のこだわりがあると言えます」（前出・情報誌ライター）
3分間1000円という値段を安いととるか高いととるかは個人差があるところだろうが、気付かないうちに鼻からチョロリと出ている、あのうっとうしい鼻毛を1カ月気にしなくて済むのなら……。一度試してみる価値アリか。
（灯倫太郎）
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