ミドリムシのベンチャーが「青汁」を共同買収へ、ユーグレナの狙いとは?

 ミドリムシを使った健康食品などを販売するユーグレナは12月15日、「青汁」で知られるキューサイを投資ファンドなどと共同で買収すると発表した。これにネット上では「ミドリムシってそんなに儲かるの!?」と驚きの声が上がっている。

 キューサイは俳優・八名信夫の「まず〜い、もう一杯!」のテレビCMで一躍有名になった青汁飲料のパイオニアで、創業は1965年。2010年にはコカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスの完全子会社となっていた。ユーグレナと投資ファンドなどは株所有のための特別目的会社を設立し、数百億円でキューサイの全株を買い取る方針で、通信販売などのノウハウを吸収して好調な健康食品事業の収益力を高める狙いがあるとみられている。

「ユーグレナがキューサイを買収することに対して、《ベンチャーだったユーグレナがいつの間にか大きくなっていたんだ》や《ミドリムシで成り上がってるのか》など驚きの声が相次いでいますね。11月に発表された20年9月期(19年10月1日〜20年9月30日)連結決算によれば、同社の売上高は約133億円となっています。実はこの売上高は2期連続の減収となっていますが、ハガキや電話による注文がメインだった通販事業のデジタルシフトが軌道に乗ったことで、直近の7〜9月の売上高では約38億円と伸びており、来期(21年9月通期)の売上高は過去最高を記録すると予想されているんです」(経済ジャーナリスト)

 また、同社はバイオジェット燃料開発でエネルギー事業は赤字となっているものの、健康食品や化粧品など絶好調のヘルスケア関連事業については、「売上高の大半を締めており、キューサイを買収することでさらに通信販売を強化したい狙いがあるのでは」(業界関係者)という。

 コロナ禍での健康志向の高まりで、さらに追い風が吹くかもしれない。

(小林洋三)

※写真はイメージです

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