「感染しようぜ」米コロナパーティーのイカれた実態、州知事が「潰してやる」

 5月8日、目を疑う衝撃的なニュースが日本にもたらされた。

《感染者とあえて交わる「コロナパーティー」に警鐘、米当局》

 時事ドットコムニュースはこのような見出しのもと、アメリカで意図的に感染を拡大させる「COVID-19パーティー」と称する集まりがひそかに行われており、結果的にワシントン州ワラワラ郡では94名の感染と1名の死亡が確認されたと報じている。

 非感染者が感染者と交わることで、あえて陽性患者になる。日本では「ステイホーム」が叫ばれ、営業中の飲食店などに張り紙などの嫌がらせを行う「自粛警察」が問題視されるなか、もはや「犯罪行為」とも言うべき問題行動がアメリカで確認されていたとは……。

 これまで、アメリカの凶悪犯罪を取材・研究してきた国際社会病理学者で桐蔭横浜大学法学部教授の阿部憲仁氏が「コロナパーティー」の実態を明かす。

「コロナパーティーはアメリカではロックダウンパーティーとも言われています。ロックダウンや外出制限がかかるさなかに、50人ほどが『COVID-19に感染しようぜ!』などと呼び掛けあって、ひとつのアパートメントに集まってはバカ騒ぎをしていたようです。意図的に新型コロナウイルスに感染することを目的としたものだけでなく、トランプ大統領や各州政府が訴える締めつけ政策への反抗心から生まれたもので、個人的にも社会的にもどうなろうと構わないといった心理から来ているようです。じつはこうした問題行動は特に3月末頃から4月にかけてアメリカ各地で確認されていますが、当時はまさか死者が5万人以上にいたるほどの大惨事になるとは想像できなかったのではないでしょうか」

 人気歌手のマドンナも「COVID-19」に感染した一人。イギリスで隔離生活を送っていたが、新型コロナウイルスの抗体検査を受け、「陽性」の結果が出たことを自身のSNSで報告。《私には抗体があることはわかった。だから明日はドライブに出かけ、窓を開けて息を吸おう。新型コロナウイルスの空気をね》とコメントした。

「マドンナの発言は、一度感染して免疫をつければもう新型コロナウイルスには感染しないとの誤った認識を世界に広めてしまったと言えるでしょう。このウイルスに関しては、未知の部分が多く、たとえ抗体を持っていたとしても、再度の感染を防げるかどうかはわかっていません。また、マドンナは4月20日にも『キッチンパーティー』と題して自宅でスタッフとダンスに興じる動画を投稿して批判を浴び、さらに5月2日には自宅待機命令を無視して、ニューヨークに向かい、そこで写真家のパーティーに参加したという疑惑も報じられました」(エンタメ誌ライター)

 マドンナの一連の“パーティー行動”との関連性は不明だが、アメリカでは他にも「コロナパーティー」による感染例が確認されているという。前出の阿部教授が解説する。

「まさに“自由の国”の悪い面が出てしまったと言うほかありません。特に、ニュージャージーを始め、コネチカット、ケンタッキーの3州などでコロナパーティーがよく開催されていたと見られています。3月初頭、コネチカット州では感染者は0だったのですが、ある女性の40歳の誕生日を名目にして集まったパーティー後、月末には415人も感染しています。ニュージャージーではその動きが顕著のようで、同州のフィル・マーフィー知事は、『コロナパーティーなんかやりやがったら、警察と乗り込んで必ず潰してやる。主催者は逮捕、さらに参加者全員、多額の罰金と共に実名を公開し、全員の頭にこのメッセージを完全に叩き込んでやる』と、かなり言葉を強めてコロナパーティーの“撲滅”を訴えていたのが印象的です」

 新型コロナウイルスのない世界を、誰もが待ち望んでいると思いたい。

(編集部)

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