18年に上梓した爆笑エッセイ「このゴミは収集できません 〜ゴミ清掃員が見たあり得ない光景〜」がベストセラーになった漫才師のマシンガンズ・滝沢秀一。書籍化のきっかけはSNSで、昨年は漫画化もされた。関連書籍3冊の累計売り上げは10万部を突破し、いまだホクホク状態が続く。
相方は、西堀亮。実は滝沢より2年早い16年に、人生最大のチャンスをつかんでいた。嵐・大野智の主演ドラマ「世界一難しい恋」(日本テレビ系)に、俳優として初めてレギュラー出演したのだ。お笑い通のエンタメ誌ライターが振り返る。
「『M-1グランプリ』や『THE MANZAI』といった漫才コンテストでは準決勝止まりだった2人ですが、滝沢はエッセイストとして、西堀は俳優として認められました。ドラマでは、大野演じる若き社長・鮫島零治の社長室企画戦略部に勤務する主任・蛭間太陽を演じました。社内のムードメーカーともいうべき存在で、まさに芸人にぴったりの役柄。ちゃんと毎回、セリフをもらっていましたよ」
撮影現場はアットホームで、大野の後輩にあたるジャニーズWEST・小瀧望ほか男性社員メンバーと食事会を開催したこともあるという。食後にカラオケを楽しみ、そのまま水曜日午後10時のオンエアを一緒に観るという仲良しぶりだったとか。
翌年以降も西堀は、ドラマの仕事に恵まれた。17年には「ラブホの上野さん」(フジテレビ系)、単発ながらも「母になる」(日テレ系)、「FNS27時間テレビ にほんのれきし 平安ドラマ『源氏さん!物語』」(フジ系)に出演。
昨年はコンビで「これは経費で落ちません!」(NHK)、「俺の話は長い」(日テレ系)に出演。「俺の話−」は劇中ラジオのパーソナリティーという、声だけの出演だが、歌手・鈴木亜美の「第2子懐妊」という現実の“ニュース速報”を伝えるキーマンだった。
「マシンガンズは芸歴22年のベテランコンビですが、正直、芸人収入だけでは食えません。それでも、人望が厚いため、事務所(太田プロダクション)の先輩である有吉弘行さんにかわいがられています。ラジオ番組『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(JFN系)で、しょっちゅうイジられているため、秘蔵っ子のような後輩です」(前出・エンタメ誌ライター)
太田プロからは昨年、お笑い第7世代と称される宮下草薙がブレイク。また、実在の街をディスる“やさぐれ系コンビ”の納言も知名度を高めている。後輩コンビに気圧されて、マシンガンズは窮地に立たされたかのように見える。しかし、ゴミ芸人の滝沢、俳優芸人の西堀には経験値がある。今年こそ、そのキャリアを“本業”のお笑いに還元してほしいものだ。
(北村ともこ)